INN nostalgia Game Essay
Memories Off 2nd Favorite Essay
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Age:17 born:1/4 blood:A size:175cm 49kg
CV:間島 淳司
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澄空から朝凪荘へ~胸打つ言葉響く、心優しき第二の人
●謎多き澄空の退学、他者をさり気なく救う彼の恋愛観
メモリーズオフシリーズをプレイした諸卿に、稲穂信を嫌いだという人がいるとするならばそれは実に奇特であると言えよう。彼ぞ三上智也を『完全無欠なるバカ』と評し、裏を返せば最高に褒め称え、伊波健にまるで人生巧者のようなアドバイスを与え南つばめから好々爺の好評を得た、本当の意味でのいい人であると断言できる。少なくとも、無意味なほどに女性に惚れられる両主人公と比べれば、彼の方がはるかに男らしくて格好いい。でも、何故か彼のような人物は檜舞台には立てないのだろうな。
決して恋愛に対して臆病というわけではなく、むしろ積極的な方。だが、無闇に相手の事情に介入するような野暮なことは嫌いであり、友達の恋愛の悩みには、相談と言うよりもちらりと主観的なアドバイスを言って軽く背中を押してあげる程度。実に“いい奴”である。そんな彼が安易な理由で澄空を退学したとは考えられない。むしろ三上智也や今坂唯笑が必死に説得して思い留まらせただろう。事実、澄空学園祭に応援として赴いているし、双海詩音とも佳き友人として今もつき合っていることを窺わせる。
今坂唯笑に失恋したことが澄空の町を去った最大の原因などと、あまりにも短絡的な発想に留まりたくはないのだが、この部分がネット作家諸卿の二次創作の余地あるとするならば、稲穂信澄空退学の真相についてより自然で納得のいく話を期待したいのだ。まあ、真相は彼のみぞ知ることなのだろうが、人生の他愛なき岐路にいちいち思い悩む三上智也と伊波健をよく導いたのであるから、彼の生き方や考え方は実に達観している。本当のところを語るとするならば、彼にとって今坂唯笑は幼すぎたのかとも言える。かといって白河静流ほどにも一歩及ぶところでもない。だとするならば何だろう。彼に相応しき女性は両作を通じていないと言うことになるのだろうかな?
●数ある名言に秘められた親友への思いと、優しき愛情
優柔不断と言ってしまえば身も蓋もないが、稲穂信から見たメモオフの主人公たちは特段情けない。特に伊波健ほどに自分に対して自信が持てぬ男は、さぞかしイライラを覚えたことだろう。何か自画自賛するようでアレなのだが、私はどちらかというと彼や後述の中森翔太の方に感情移入をする。自分自身を重ねると言うほど大愚ではないが、伊波健と三人合わせれば、健は第3位である。
どこかしか、今の時代に失われつつある人間関係の一端を見るような像。三上智也や、伊波健の立場から見ると彼のような親友の存在があればこそ乗り越えられたこと多々あると言える。むしろいなければと考えるとそらいいことが思い浮かばない。
「雨はいつ上がる」を代表するように彼は澄空時代から名言を伝えてきたミンストレル。伊波健が織りなす恋愛云々を別にして、彼が紡ぐ名言を蒐集してみるのもまた一興かも知れない。暗に私たちを激励してくれている、落ち込んだ時なぞ彼の笑顔が勇気づけ支えてくれる気がするのだと言ってしまえば極端だろうか。
とにもかくにも二人を支え、ひいてはヒロインたちを激励した稲穂信は、“逆説メモリーズオフ”とか銘打つ劇作で主人公にしたいものであるな。きっと私たちメモオフに触れた諸卿に新たなる感動を与えてくれると確信している。
April 21, 2002