INN nostalgia GAME COLUMN
メモリーズオフ~それから~
©KID |
CV/村田 あゆみ
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超然たる情熱家、錯綜する友情見事に裁く。代替なき大器
華冑の世界に驕らぬ未曾有のモデル、友情のために手段を選ばず
前作のヒロインにしてはあまりにもその存在感の大きさに圧倒されるものがあるキャラクタ。「昨日の友は~ 親しき仲に礼儀無し」という極めて左翼的な格言を作ってしまうほど、歴代ヒロインの中で筋の通った大器に他ならない。
その超然とした物腰と玉虫色を好まぬ性格こそが人望を集め、説得力がありまたモデルの頂点を維持して行ける根本なのであろうか。物語では触れられないが、「加賀正午という男には過ぎたる女房」と言うによろしい。
陵いのりは元より、野乃原葉夜・花祭果凛が鷺沢一蹴を巡る複雑な友情の絆をものの見事に裁き、復建への道を模索させる。親友達のためにここまで甲斐甲斐しく力を貸せる人物などいるだろうか。黒須カナタという女性は現代の若者像を集約した上に、本来の日本人という美徳の片鱗を備えた、文字通りの「美人」なのではないか。
全くもってカナタを恋人に持てる男は羨望の的である。どうよ皆さん、彼女を見れば陵いのりなど子供もいいところだろう。本来ならば、パティシエを目指している荷嶋音緒あたりが今作に登場するべきはずだったか。二大ヒロインのうちで黒須カナタが登場権を獲得した経緯、そう思えばいやはや実に納得のいくものではなかっただろうか。意外と個性の強いメモそれのヒロイン共。前作代表として太刀打ちできるはやはり黒須カナタを置いて――――うむ。やはり他にはおるまいな。しかしRX-○を駆使する無謀な公道レーサー、あまり御教授には与りたくはないものである。