INN nostalgia GAME COLUMN

メモリーズオフ~それから~


©KID
CV/間島 淳司

信念の流離人、なおも無欲の境地を追求す


恋愛の意義をもっとも知る大賢、シリーズ古参の重鎮顧問となる

メモリーズオフシリーズの影の主役(?)である稲穂信。もはや彼なくしてメモオフは語れぬとばかりに、第1作から現在までを繋ぐ唯一の絆となっているのは、誰の目から見ても明らかなのであるが、相も変わらず無欲なその性格には脱帽してしまう。とかくあまり恋愛にこだわっていない……と言うよりも興味がないのか。前々からも言っているように、彼がその気になればメモオフ歴代の主人公達など足元にも及ばぬハーレム人生を送れるはずだったろう。インドを旅してネパール王国、この次はアジアの秘境・ブータン王国にでも足を運びそうな勢いである。
まあ、泰然自若とした様相ながらもこう見えて実は結構な人生経験を積んできている稲穂信には力丸紗代里は役不足と言われても仕方がない。いやはや、そんなことよりも彼自体に妻帯など予想もつかない。独身貴族などと言う言葉ではないが、彼こそ独身というのが似合う存在はそうそうあるものではないだろう。
「男女の親友はあり得ぬ。距離を保ってきた。親友ではない、知り合いだ」 白河姉妹に対するこの言葉は、実にリアルに富んでいて、鷹嶺自身も彼の言葉の通りだと思っている。「離別した後も友人として顔をつき合わすことは至難のこと」
人は嫌いになったら二度と好きになることはない。嫌いでなく必要離別だとしても、その後も友人として行けるというのはとことん甘い理想に過ぎない。稲穂信がシリーズの合間にどう言った経験を成してきたかは解らないが、ある意味主人公達を達観してみていられる彼の存在の大きさは、主人公達のみならず、私たちプレイヤー側からしてみても十分に解っているのではないだろうか。とかく、彼の性格もさることながら、博識に長けた話術は鷹嶺も肖りたいものだと思って止まない。