INN nostalgia Game Essay
想い出にかわる君~Memories Off~
Age:16 born:8/13 blood:O size:158cm
CV : 浅野 真澄
INN nostalgia inspiration song
君のためにバラードを
Words by Yasushi Akimoto / Music by Kyohei Tutsumi (稲垣潤一)
©KID
――――小さな過ちに囚われた裕福への羨望、中傷に負けぬ正午への愛

◆今や死語となりつつある天真爛漫な少女、憎めぬ素顔

コギャルというのは何となく縁遠いものだが、どちらかというと余り好きじゃない。まぁ、それというのも礼節・常識が欠けているというイメージが強いためなのだが、もしも世の中のコギャルの多くが彼女・児玉響のようであったならば実に微笑ましくさえ映っただろう。見直すことが出来たかも知れない。と、言うのも彼女は見かけによらず実に健気ではないだろうか。そして、響編に触れて、初めて主人公・加賀正午が中流上層家庭の比較的金持ちであることが実証される。
『当たり屋響』と言うのかどうかは知らないが、携帯電話を正午から買ってもらって歓喜する響の様子は傍目から見ても本当に微笑ましく思え、当事者だったらきっとこちらも嬉しくなってしまうだろう。
ナチュラルというには語弊があるかも知れないが、嫌味の感じさせない性格は正しく天真爛漫という言葉に等しくはないか。そして今やもう滅亡への道まっしぐらな存在。いや、意外に好感を持てました。

◆飽くなき幸福への追求、正午がもたらす身近なる意味

響を取り巻く環境は、実に共感できると言うよりも、よくわかると言った方が正しいだろうか。彼女の部屋はしゃれていると言うには語弊がある、何となく昔のうちの姉貴の部屋のような感じでもあったな(笑)
ブランドにこだわる飽くなき追求心。金が欲しい欲しいと、恥も外聞もないと見られがちだが、実は意外にでもないが、これぞ人間の本質なんでしょう。男ならば、そう。高価でフルエアロのスポーツカーを乗り回しながらも、実は家はそれほど裕福じゃない。いわゆる車貧乏とかって言う感じか。今どきの娘らしからぬ、それまで携帯電話すら持っていなかったという児玉家の事情は少なくても私にとっては他人事じゃないんですよね(笑)
それにしても、この響編における加賀正午君は素直な気持ちで格好いいと思います。流石に豪華客船のナイトクルージングご招待は場当たり的で極端かも知れませんが、よく頑張った! 感動した! と、いつぞやの小泉総理大臣張りに肩を叩きたくなりましたよ。そして、彼女の真実を知ってもなお、彼女を信じ守ってあげようとする姿勢。これぞ男の中の男かも。それにしても、正午君って、女の子に一目惚れされやすいんですよね、不思議なことに……(笑) 羨ましいというか何というか。まぁ、そんなこんなで、ラストもさることながら、響ストーリーは正しく、私的に君のためにバラードをってかんじでグーでした。

◆携帯嫌いにはついて行けぬ話…しかしこれも時代の風潮か

携帯電話、そしてメール。流石に今主流の写メールネタは時間の都合上割愛されたようだが、携帯電話嫌いの鷹嶺 昊としては、メール主流のこの話には、いささかついて行けないものがあったね。幸い響はマナーに関しては厳密な性格みたいだったのですんなりと入り込めたんですけどね、それでも。
しかし現実問題、メール主流の世の中で響と正午のような関係ってありうりましょうかね。万が一にもないような気がするのは私だけでしょうか。
…と、そんなこんな事を言っても、時代の流れは携帯電話・携帯メール。どうしようもない。
それよか、私的には響との出会いの場面でのインスピレーション。「陽射しのハレーションに、長い髪を泳がせて・・・」と始まる『君のためにバラードを』を響に捧げようか。素直な気持ちで、正午との幸福を祈ることが出来ます。頑張ろう。

April 24, 2003