Age:16 born:5/19 blood:A size:154cm
CV : 白鳥 由里
INN nostalgia inspiration song
MY LOVE
Words by Shuichi Ikemori / Music by Koji Yamane,Naoki Uzumoto(DEEN) |
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©KID |
鷹嶺 昊として思うのは、メインヒロインとして成り立てることが出来たはずの荷嶋深歩は、実に一言で「魅力のある明朗快活な少女」と片付けるには惜しい存在であったと言っても良いだろう。彼女が持つ、身体障害という設定は遠回しでKIDの隠れた名作Close
toを偲ばせ、さながら姉へ寄せる想いと、後に出会うことになる正午やトビーに絡めて、後述の北原那由多と同等実に3ヶ月間に及ぶ30分ドラマを形成できよう。INN
nostalgiaとして、昼ドラ主題歌ともなったDEENの「MY LOVE」を深歩のイメージに合わせた理由はそこにある。
やんぬるかな、深歩はメインヒロインとしての魅力は三歩欠けてしまったのだが、何々、鷹嶺 昊としては極端な結論として彼女を嫁さんにもらっても良いと思っているほど。茶番じゃなくてね。何となく、真剣に話が出来そうだ、色々と教えてあげられる楽しみもあるというものだろう。
そして、人にもよるかな? 不謹慎かも知れぬが、その初登場、姉・音緒と共に現れた車椅子の深歩に瞬間惹かれた方もいるはずだろう。車椅子少女萌えという訳ではないのかもしないが、深歩は絶対に俺が守ったる! と、単純に気合い入ってしまうものですね。不肖、鷹嶺 昊もそんな人間の一人ですから(笑)
しかし、主人公・加賀正午も偉いものです。普通は無意識なりに差別感を相手に与えてしまっちゃうものかも知れませんのにね。加賀正午を三上智也・伊波健という歴代ク○主人公たちと一線を画して素晴らしい漢だ! と確信したのは、何を隠そう、発売後約5ヶ月が経ってようやくプレイし始め、一番最初に深歩編を終えたからであろうか。本当は、百瀬環をはじめにクリアしようと思っていたのですが、神さまのイタズラは恐ろしいもの。きっと、深歩編を最初に終えていなかったら、私的に加賀正午は三上智也・伊波健と同じ轍を踏ませていたことかも知れませんしね。主人公観を変えた深歩の存在、お見それです、はい(笑)
しかし、深歩を単に障害者として生半可な気持ちで対応すると思いも寄らぬ手痛い打撃を受けてしまうことでしょう。そうなのです。彼女ははっきり言ってそんじょそこらのヤワな野郎(私含み)じゃ全く相手にならない。と言うよりもおそらくついて行けないはず。
それは何を言わそうか深歩が他を大いに凌ほどの努力家であることに他ならないのだ。…そう、気高き美女が男をあしらう――――なんてことじゃなく、きっと深歩はその健気なほどの笑顔で見つめてくれるかも知れません。ですが、逆にそれが生半可な野郎(私含み)の心をさぁさぁ辛くさせてしまうのかも知れません。
深歩は車椅子生活ということだけで一括りにしてしまいがちですが、実は相当な努力をなして正午やシン、テンチョーたちと交際をしている。それが彼女自身にとってどれほどのものなのかは健常者たる私には全く持って分からない。逆に同じく障害を持つ方々にとって、荷嶋深歩像はどう映るのかは是非伺ってみたいところではある。
タカミネ的エッセイでは、それを語ればましてきりがない。別視点から深歩像を捉えてみれば、度重なる逆風に負けない彼女の姿は、私は痛々しいほど・・・とと言うよりも、実に素晴らしくて感動を覚える。つきなみな言葉なのだろうが、彼女が後に吐露する「がんばる」というのは、現代社会において、私たち日本人が無くしていっている日本人本来の『秀徳・美徳』のひとつなのかも知れないですね。あぁ、また始まったよ。何がシュウトク・ビトクだよ・・・とぼやくなよ諸君。荷嶋深歩の精神が完全に失われたとき、日本は世界的にどう見られるか。答えはひとつ。『後進国』という嘲りを一身に浴びてしまうだろう。ただでさえそうなのに、これからどないするんだヨ。
深歩は大事にしようね、皆さん。彼女は良いよ、いいキャラよ。可愛いし、何と言っても萌えるは髪を飾る二つのリボン。あー・・・そういや、今どきのコって、頭にリボンって結ぶのかね?? そんなこと言う私はすっかり身も心もオヤジだな(笑)
「優しさ」の意味を問いかけるという事でも、荷嶋深歩の物語は秀逸と言っても過言ではあるまい。それは暗に障害者という方々に対する対等を求める布石か、それともただ「優しさ」についてどういう事なのかを追究した内容なのかは意見が分かれるだろう。
ただ、これだけが確実に言えるとするのならば、深歩は、自分に寄せる正午、いや特に家族の『優しさ』が、実に重荷に感じていると言うことなのである。やはり、優しさの定義というのは難しいものなのかも知れない。米国が提唱する優しさ、イラクが求める優しさ。十人十色とはよく言ったものです。深歩はよくよく姉が抱いていた秘密を知りてなお安堵し、本音をさらけ出せた姉妹喧嘩に感慨を深める。求めるものが違ってくるのは人として当然のことかも知れない。
荷嶋深歩編は素直に考えさせられる余地があるのだが、言い換えれば深歩の未熟な一面も見て取れると言えば反感を買うだろうか。彼女がたった一つだけ欠けていたことがあるとするならば、彼女が後半に姉・音緒や正午に吐露した想いを以前に自ら問いかけることが出来る勇気だっただろう。足りないから求め合えると、DEENのJUST ONEの詞は言っている。深歩を語りては、ゴメンおどけた茶化しは出来ないのだが、本当に、人というのは難しい。親しい関係になればなるほど、それに反比例して心の裡は読めなくなるものなのだろうか。
素直な気持ちを見せればいいじゃないかなどと私も言ってますけど、ハイハイ、本当にそうであれれば世の中、苦労はしなくてすむのでしょうね。ましてやこんな狭い島国であーだこーだって言っている小さな民族。深歩ちゃん、私と一緒にマルタ島に移住しましょうか(笑)