INN nostalgia Game Essay
想い出にかわる君~Memories Off~
Age:17 born:4/3 blood:O size:158cm
CV : 清水 愛
INN nostalgia inspiration song
愛のカタチ
Words, Music:Hideaki Tokunaga(徳永英明)
©KID
――――自由を求めて訪ねた安らぎの場所と、乗り越えてゆく運命

◆逃れぬ運命に束縛された多感期、正午との倖福(しあわせ)への邂逅

荷嶋音緒をメインヒロインとするならば、恐らくこれほどまでに心象に穏やかに残るキャラクタは類を見ないと言えそうだ。正直言えば、どうしても黒須カナタと比べてしまうので、音緒のインパクトは薄い。黒須カナタには即座にLOVE FOREVERをイメージすることが出来たが、音緒は7人のヒロインの中で最後まで私的イメージソングを当てることに苦渋した。そう、苦渋したのです。それほどまでに、音緒は松尾・市川両氏がのたまっているように正統派のヒロインなんでしょうね。
徳永英明の「愛のカタチ」は何とか音緒に相応しい歌詞と曲調でギリギリセーフ。どうか、唄ってあげて下さい正午君(笑)
とかく音緒は登場した直後からなにやらといわくそろい踏みの女の子なのねと思っていたら、正しくビンゴ。しかし、素直な娘ですよ彼女は。全く、やばいね。私はダメです。何となく、音緒のようなコがもしも現実、お付き合いをされるようならば、私は廃人になってしまいましょう。そうです、それほどまでに音緒というコには裡に秘めた恐ろしい純愛があるのでしょう。いわく、水清ければ不魚住。
メイン主人公・加賀正午との出逢いはカフェティリア。果てさて何ともはや美しき出逢いかなぁ。いいのう(笑)

◆愛するが故に鬱積(うっせき)された親愛の(うら)み、黯然(あんぜん)解き放つ自由の風

彼女は色々な意味で考えさせられる要素を持っているヒロインであるのです。籠の中の鳥という表現は正しくはないのでしょうが、冒頭・音緒は粉のジュースを飲みたいと吐露する。その言葉の意味する部分は深く蒼く、音緒のトゥルーエンディングを迎えてもなお考慮の余地に事欠かない。
それは彼女自身の優しさに裏打ちされた愛するが故のやりきれない鬱積した感情である。つぶさに見て取れる音緒の表情の翳りは、不肖鷹嶺 昊も胸を締め付けられるような感じの場面に事欠かない。まったくもって、黒須カナタとは対照であろうし、音緒を比較すりゃあきっと他の5人のメンバーなぞ足元にも及ばぬ境遇にあるのでしょう。果てさて、そこが私が言う、彼女の恐いところ。
とかく妹・深歩に対する音緒の隠された行動というのは、正直言って戦慄を覚える。実際彼女が身近にいたとするならば、自分私であったらばきっと音緒に刺されてしまうことでしょう。理由は? ええ、思い当たる節は死ぬほどありますれば(笑)
とかく彼女のような性格ならば尚更のことなのでしょうね。トゥルーストーリー・・・いわば今度こそ本当に音緒ちゃんとキメちゃうぞストーリーでのショーゴは良い感じで苦悩してくれます。それは結果的には音緒の心の奥底にある暗い(うら)みを取り払ってゆく自由をもたらす風となり、ラブラブになってゆくって言う、これぞやっぱり役得には、ある程度リスクを背負っていただかなければ、やる方としてもやってられませんってことですよね(笑)

◆毅然とした態度に見る、メモオフ随一の正統派ヒロイン像

メモリーズオフの桧月彩花・今坂唯笑、メモリーズオフ2ndの白河ほたる・飛世巴。往々にして我々が追い求めた理想のヒロイン像も、時を重ねれば変化してゆくこと甚だしい。不肖鷹嶺 昊は、そのメモリーズオフのヒロイン・桧月彩花に泣き、悔い、そして双海詩音にはまった(ぉぃ
そして2ndでは、白河ほたるのベタベタすぎるほどの、これでもかごり押しヒロイン像にむかつきながらも彼女の位置に満足し、南つばめと飛世巴にはまった(爆死
さてさて、想君はどうであろうか。自由奔放で気ままな猫ちゃん(じゃねーか)である黒須カナタ嬢の圧倒的なヒロイン像の中で、本当に荷嶋音緒は彩花やほたるのようなべちゃべちゃの主人公大好きっコなのでしょうか。いやいや、違いましたよね、皆さん。
恋人気取りならそれが当然の段階とばかりに、音緒は生活物資をイラクへの国連支援の如く、加賀正午邸へ搬入してゆく。そのプロセスはまぁよろしい。されど、あれほど思い慕っていた彼への疑念は、たったひとつのアレの為に、さながら蒸発したサダム・フセインたちのように一夜にして無に帰する。毅然としてますよね。言うなれば、織田信長公を(たお)した明智光秀に対して、羽柴秀吉が成し遂げた中国大返しのような・・・。それとも時代は遡って、墨俣一夜城か。
とにもかくにも、正午ならずとも、音緒のような仕打ちを受ければ、男ならば激しく動揺するのでしょうね。この女、いつ孫子の兵法を習ったのかと(笑)
と、まぁそんな毅然とした態度を見せてくれる音緒ちゃんは、実はメモリーズオフシリーズの中で随一のヒロイン像ではないだろうかね。そう思って止まないよ、本当に。私がダメな本当の理由はここかな? 彼女の素晴らしさに触れてしまうと、勝手にヤケドしてしまうようで・・・。
ま、そんなこんなんで、きっとトゥルーエンド後の二人は普通に幸せになったのかな? 音緒に一言言っておこうか。「先を考えすぎてもつまんない。今日や明日を、楽しめば良いんじゃないか。愛のカタチだよ、愛のカタチ」加賀ショーゴ君、徳永英明を唄ってあげましょうね(笑)

April 20, 2003