True Love Story Summer Days,and yet... - INN nostalgia Game Essay -

FAVORITE COLUMN

★「ホンット~に普通だもんな」…隠しキャラが現実に一番近い?

実のところ、エンターブレインの情報誌『Dear My...』によらなければ、買うことはなかっただろう。それもその筈、ライバル・メディアワークスのG'sマガジンに特集は少なく、危うく見落とすところだった。
『トゥルーラブストーリー3』は友人に薦められて買った。正直なところ、まだ全員攻略には至っていない。2001年発売後、二年が過ぎてまだコンプリートはしてない未熟者。
だが、それにも関わらず今回のサマーデイズは、とりわけパッケージを見た瞬間に予約してしまっていた(笑) そうです。簡単に言ってしまえば、絵柄が自分好みだったのかも知れない。TLSのファンの多くは絵柄の変化に抵抗があったようなのだが、個人的にはとりわけ今までの絵柄に抵抗感があったために溶け込みやすかった。
しかしどうだろうか。元々シミュレーションと言うこともあって、ヒロイン個々のストーリーについてとかく重視しているという心象は薄い。だが、意外とそれがツボをつくところもあり得ると言うことかも知れない。
普通の日常を描きながらも、登場人物の多くは実に波乱に満ちた前半生を送っている。主人公だけに囚われればそれが実に顕著なのだ。敢えて普通に極めて近いとするならば隠しキャラとして登場する、さる女の子だけではないだろうか。「本当に普通だもんな~」などと彼女を評価される彼女さえも、現実と較べればはるかにかわいい女の子な訳なのだがね(笑) 勇太や誠太郎が言う「ホンット~に普通」が、現代社会に喪われつつあるわけなのよ。
つまりさ、その隠しキャラが私たち現実社会の理想の女の子像に近いとするならばだよ? ええ、もう緋菜やまして瞳美先輩などと日本神話に登場する女神様かくやと言わんばかり。だからさ、男児たるもの、かの女らに憧れる。人によっては萌えるのだと考える、私は萌えなかったが、さすがに(笑)
そしてこの物語は全体的に夏という舞台が微妙にマッチしているのかも知れない。まぁ、恋愛ものにかけては夏という舞台設定が一番イベントが多くてやりやすいのだろうが、個人的には面白かったと断言できる。販促用ポスターのキャッチフレーズ「真夏の恋が、キラキラ輝く。」
果たしてキラキラかどうかはわからないが、主人公を取り巻くこの現実離れした美少女達それぞれは皆、心安らぐような物語を秘めているので、終盤森崎勇太となる諸兄達の心を捉えて止まないだろう。ええ、面白きかな、面白きかな。


私的評価(6段階 良←S-A-B-C-D-E→悪)
全体 キャラクタ
ストーリー ゲームシステム
音楽 操作性
パッケージ 2Dグラフィック
オープニング 声優
ゲームバランス 感動度
Hの必要性 共感度
購入特典 価格
季節感 マニュアル
萌え度 プレイ期間
マンネリ度 明るさ
訴求力 年齢推奨
OPテーマ曲 EDテーマ曲
システム的にはサクサク進めて余程登場人物を避ける行動をしなければ誰かとくっつく。
ただ、出会いの場面はランダムな上、移動場所が異なる時に発生するため、コンプリートユーザーは少々難関かも知れない。ビジュアルのベル愛好家にとっては、物語がさほど重要視されているとは言い難いので、その点つまらないかも知れない。絵柄も好き嫌いが別れるだろう。
恋愛シミュレーションと割り切ってプレイされる方におすすめである。

August 31, 2003 Kou Takamine