True Love Story Summer Days,and yet... - INN nostalgia Game Essay -

Hina Kusunose on main heroine

INN nostalgia image song 君の青 from 徳永英明
クラス 2-A 誕生日 10月7日 星座 天秤座
血液型 趣味 音楽鑑賞/読書 FAVORITE ショートケーキ/高いところ

▽幼なじみ編

成る程。メインヒロインである楠瀬緋菜は特にそのストーリーのひとつ・「幼なじみ編」ではこれ実に健気な印象を受ける。今や失われたんじゃない? こんなタイプの女の子って……。と思えてしまう。
正統派の印象があるが、その実裡に盛んなほどの情熱を感じ取れる部分があるのだ。このゲームは好感度を上げることに仲良くなって行くタイプのシュミレーションな訳なのだが、『ときめき某』よりは個人的に親しみを持てやすい魅力的なキャラクタにあふれていると言うことだろうかね。……重複するなぁ(笑)
特に楠瀬緋菜はやっぱりその代表なんでしょうね。
何だかんだ言っても、この6人+αのヒロイン達のうちで、別段篠坂唯子を除いて一番最後に攻略することになる点から見ても、個人的には好きやねんな。
『緋菜たん萌え~(爆)』などという気持ちは不思議と起きはしなかったのだが(全体的にどこかしかそう言うノリの物語ではない)、起きるイベントや、主人公・森崎勇太に寄せる感情というものは痛苦しいほど伝わってくる(僕のような歳になるとね、そう思ってしまうワケよ(笑))。
1000年の恋などという大仰なものではないのだろうが、不意なる再会に胸の奥底より眠り覚める初恋の情というものは古今東西純粋だった分だけ静かで烈しいものなのでしょうか。
特段、幼なじみ編と銘打つ分には、後述の同じ幼なじみ・向井弥子と比較、これぞ正しく理想の幼なじみ像ではないか。現実に幼なじみというものをもつ諸兄・諸姉殿らは、おそらくその方、緋菜タイプではあるまい。実は弥子タイプが多かろう……と言うよりも、ほぼ全部、弥子タイプか、あるいはそれ以下か。
幼なじみ同士で結ばれる例は稀有とは申せ、なまじ緋菜タイプの女の子を幼なじみに持てた時の喜びなぞというものは、果たして実感できる日は来るか。ああ、なるほど。いわくエンディングを経て2年後、ウェディング・ドレスを身に纏い勇太の腕に身を預く緋菜像よろしく人生の節目を無事に迎えることが出来た瞬間なんでしょうね。嗚呼、我これ迎えられず・・・(涙)

▽告白編

私が緋菜編を進めた時に初めにクリアした告白編は、登場直後に主人公に愛の告白という、九郎判官義経をして鵯越にも勝る奇襲戦法で始まる物語なのであるのだが、こちらは主人公・勇太が紆余曲折的な思案を巡らせて最終的に飛奈の愛を受け容れるというオーソドックスなもの。私的にはどちらかというと、幼なじみ編の方が思い入れは強いとされる。
突然、廊下で「好きです!」などと、公言して憚らない緋菜に怖じ気づくことあれ、そりゃあ「はいわかりました!」などと軽々しい男を演じればそれは私とて勇太の軽薄さを憎みましょう。
「真剣に考えてくれているんだよ」などと返事を先送りする勇太を訝んだ緋菜の友人に対して言った言葉は、楠瀬緋菜という一個の少女の芯の強さを窺い知ることが出来るのだが、いかにも物語的な要素だなと、話を聞く私も小恥ずかしくさえなるというものだったね。
とりわけ幼なじみ編のような重厚なストーリーに対して告白編は実にナチュラルである。つまらないという意味では決してなく、むしろ主人公の優しさというものと、メインヒロインの“らしさ”を求める上では、告白編の方が正道であろうか。
INN nostalgia、鷹嶺 昊としての楠瀬緋菜インスピレーションソングの『君の青』は、優しさの中に輝く、小さな幸福の歌。告白編を回想しての緋菜に対して、勇太に是非唄ってあげて欲しい曲のひとつとしてここに述べておこうと思っている。
さあて、とりわけ諸兄・諸姉の緋菜像は幾ばくや。かいつまんで言うと、素直にかわええと言うことです(笑)

August 03, 2003