True Love Story Summer Days,and yet... - INN nostalgia Game Essay -

Satomi Kiriya on Bicycle girl

INN nostalgia image song もう一度あの日のように from 徳永英明
クラス 2-B 誕生日 6月30日 星座 蟹座
血液型 趣味 自転車/カラオケ FAVORITE バナナ/絵本/野に咲く花

▽日ノ出坂編

言葉を濁せば自転車オタク。ああ、実に健康的でいい響きではないかと思われようが、いやはや全くもって多感期の少女らしからぬ飄然な装いを呈している。10代の若かりし話題にあらん恋の話や、少しばかりなまめかしき会話にも全く動ぜずとは、桐谷里未あな恐ろしやと(笑)
彼女が如何にして自転車などと傾倒したかは後日談的要素に終始されているとはいうものの、何ともはや『ときメモ2』の八重花桜梨嬢をしてバレーボールの装いを重ねるとも言える。
さてさて森崎勇太、そんな千年の巌(いわお)に懸命にアプローチを試みる。冷たくあしらわれるやと思いきや、意外と素直に自己紹介を交わす桐屋里未嬢。ご丁寧に所属クラスと、フルネームまで。となれば森崎は最初から相手にされていないか、それとも懐かしや松田聖子女史と、波多野医師のなり染めに一躍流行語ともなった『ビビビ』が、この巌の少女に駆けめぐったか。いずれにしても、森崎勇太はモテモテ。だとするとだがね(笑)
私見、彼女は抜きんでて美少女というわけではなかろう。実際、ここまで自転車に傾倒し、卒業後はツール・ド・フランスを制覇か、或いは桐屋里未嬢が自身を見つめ直すためのサンティアゴ巡礼の道を目指すのか。何が君をそこまで駆り立てるのかと問えば、返ってくるのは大いなる夢の想いか、現(うつつ)かとばかり。この長い坂を駆け抜けた先にある答えは、森崎勇太にとって幸福であったのかどうかは本人にしか分からないことなのかも知れない。そんな日ノ出坂編は、森崎勇太の懸命な想いと、ある意味において一途で頑なな桐屋里未の『ラブ イズ ワールド』なのでしょうか。

▽バイト編

「今キミは、夢を僕に言えるか。あの日と同じ瞳のままで」。桐谷里未嬢のストーリーにフィーチャーする楽曲は最終的に、このフレーズで始まる徳永英明の『もう一度あの日のように』を決定する。何となく、里未のストーリーは、“恋愛”っていう型枠におさまりきれない何かを感じるからだ。
ええ、「型枠」なんて言葉自体、彼女もいやだと言ってますしね、「いやになるくらいワンパターンな生活」。そう、現実私もそうなんですよね。だから、彼女に寄せる想いというのは、私自身「恋愛」という範疇にはとどめおけないところ。
彼女の葛藤は先述・日ノ出坂編よりも、バイト編のほうがより余裕があって理解できる。「人に優しくできるほど、強くない」という名言を彼女は残す。大丈夫。きっと現実の人間だって(僕を含み)、優しさの意味を理解している人は少ないだろう。
「今キミは、夢を僕に言えるか…」。里未と行ったカラオケのイベントで、私が森崎勇太の立場で唄う最後の選曲はきっと、この『もう一度あの日のように』だろう。変わらないとキミは言う。人はなかなか変わらないもの。でも、恋をすればいやがおうにも人は変われるだろうと思えて止まない。恋は人を成長させる。良いところをキミに見せたいと無意識にでも思えること。
いやはや、実のところこの手のストーリーって、合致する曲ってのが多いのよ。でも、変人鷹嶺 昊が選んだら……。渡欧への夢、育む桐谷里未へエールを込めて、森崎勇太よ、歌えよ。「緑の風を受けて輝いていた、もう一度あの日のように……」

August 08, 2003