CD Review on Fork-songs

ゴダイゴ ベストアルバム
ゴダイゴ BEST SONGS
ゴダイゴ/日本コロムビア/COCA-10349/2000円/92.10.21
1;僕のサラダガール/2;君は恋のチェリー/3;ミラージュのテーマ/4;ガンダーラ
5;モンキーマジック/ 6;ビューティフル・ネーム/7;ハピネス
8;はるかな旅へ(アバランチ・エクスプレス愛のテーマ)/ 9;銀河鉄道999
10;ホーリー&ブライト/11;リターン・トゥ・アフリカ/12;ポートピア/13;ナマステ
14;ドキ・ドキ・サマーガール
解散後十数年が過ぎて出されたゴダイゴのベスト版。元々「銀河鉄道999」を求めて購入したのだが、実際に一通り聴いているとどれも素晴らしい印象を受けた。曲全体に時代を感じることは確かだが、それでも詞には何ら違和感がない。むしろ、どこか懐かしいものさえ感じて止まない。「ポートピア」を聴くたびに、震災前の美しい神戸の港は、この曲のような感じだったんだろうなあと、頭の中に想像が過ぎる。また、旅をテーマにした曲がトラック4,8,9,10とつづいており、手放せないアルバムとなっている。
海援隊 涙、自ら拭い去るとき
涙、自ら拭い去る時
海援隊/ポリドール/POCH-1552/3000円/96.3.20
1;月の光/2;人として/3;一人称/4;スタートライン/5;私の中の銀河/6;帰ろう
7;センチメンタルクラブ/8;人に生まれて/9;ヘミングウェイをきどって/10;空見たか
11;贈る言葉
5才の頃、初めて口ずさんだ歌というのが、「贈る言葉」だったという、かなり風変わりな幼児だった私が、今も変わらずに好きな海援隊の13年ぶりのニューアルバムである。そのスタンスは変わらず、優しく語りかけるような全ナンバーは、年齢を超えて聴いてもらいたいと思うのである。武田鉄矢の詞は若者に対して訴えかけるものが多く、若人うけはなかなかしないが、忘れかけている大事な心を思い出させてくれる。「私の中の銀河」は、ドラえもん映画の主題歌になっている。
武田鉄矢 大全集1
The Complete Songs Album VOL1
武田鉄矢/ポリドール/POCH-1177(3枚組)/----/92.12.12
1;母に捧げるバラード/2;故郷未だ忘れ難く/3;あんたが大将/4;思えば遠くへ来たもんだ
5;JODAN JODAN/6;贈る言葉/7;二流の人/8;心のかたち/9;人として
10;俺が信長/ 11;恋不思議/12;こらえちゃっときない/13;えきすとら/14;遥かなる人
海援隊時代からの武田鉄矢の軌跡を綴る、3枚組名盤の1枚目は、その海援隊時代の名曲が並んでいます。特に「贈る言葉」と「人として」は、編曲が当時のままで収録されており、無性に懐かしく、感激した。特に気に入った曲には7トラック「二流の人」と、13トラック「えきすとら」を挙げたい。前者は戦国時代の名将で、福岡藩祖黒田官兵衛の人生を、彼独特の調子で綴っている。後者は恋する女性を陰で見守る、心優しい男性の思いを、しっとりと歌い上げている。
武田鉄矢 大全集2
The Complete Songs Album VOL2
武田鉄矢/ポリドール/POCH-1178(3枚組)/----/92.12.12
1;今度の旅は長くなりそうです/2;未だ僕の旅/3;もう春なんだなぁ/4;如月の風の中で
5;駅におりたら/6;コスモス/7;少年期/8;人生の秋に/9;夢がとまらない
10;唇をかみしめて/ 11;RONIN/12;浪漫/13;男と女のラブゲーム/14;男と女のはしご酒
武田鉄矢の軌跡を綴るアルバムの2枚目。旅というメインテーマが盛り込まれているような感じがして聴いていると自分も旅をしてみたいという心境になる。彼はメッセージソングの権威でもあると私自身では思っており、聴いている人への慰め、戒め、勇気づけと、一曲一言に思いを込めて歌っているという感じがしてやまない。どこかセンチメンタルな気分になったときや、ゆっくりと心を落ち着かせたいと思うときには、必ずと言っていいほど、聴いている。
武田鉄矢 大全集3
The Complete Songs Album VOL3
武田鉄矢/ポリドール/POCH-1179(3枚組)/----/92.12.12
1;贈る言葉/2;風がすぎていった/3;声援/4;海からのであい/5;伝言-メッセージ-
6;天までとどけ/7;時の旅人/8;十年早いぞッ/9;幸福のススメ/10;雲がゆくのは
11;くそったれの涙/12;風の一歩/13;硬派/14;涙
武田鉄矢の軌跡を綴るアルバムの3枚目。オープニングチューン「贈る言葉」は、新録ソロバージョンとなっている。このアルバムで特徴なのは、どらえもん映画の主題歌や「おーい竜馬」といった、アニメソングが目立っていると言うことである。「天までとどけ」「時の旅人」「雲がゆくのは」は、ドラえもん映画の主題歌。「くそったれの涙」「風の一歩」は、NHKアニメ「おーい竜馬」のオープニングとエンディングの主題歌となっている。
谷村新司 伽羅
伽羅
谷村新司/ポリスター/PSCR-5144/2500円/92.9.2
1;浪漫鉄道~蹉跌篇~/2;伽羅/3;ジョニーは戦場に行った/4;祇園祭/5;愛去りて
6;老優-キャスティング-/7;デラシネの星座/8;トランジット・エイジ/9;タクシードライバー
10;2000年のサブリナ/11;浪漫鉄道~途上篇~
「昴-すばる-」が特に有名な谷村新司の多くの名曲の中でも、特に浪漫鉄道が大好きで、このアルバムはその浪漫鉄道がオープニングとラストを飾るという、個人的には素晴らしいアルバムとなっている。さすがは大人の歌という感じがあって、詞もなかなかに難しい。ゆったりとしたシャンソン系の曲調が多く、聴いていると心が落ち着いて行くのが不思議である。谷村の声には高揚した気分を抑える、精神安定剤的な要素が含まれているのだろうかなどと、思ったものである。
サライ
谷村新司/ポリスター/PSCC-1090/3000円/92.12.26
1;サライ(With 加山雄三)/2;三都物語/3;ダンディズム/4;小さな肩に雨が降る/5;青年の樹
6;マイ・ボーイ/7;いい日旅立ち/8;浪漫鉄道〈蹉跌篇〉/9;遠くで汽笛を聞きながら/10;忘れないで
24時間テレビのメインテーマソングとして名高いサライのオリジナルバージョンが第1トラックに入っているアルバム。だが、それ以外は基本的にシングル版や以前のアルバムに収録されていた曲を連ねているので、ベストアルバムという色が強い。
レパートリーであるサライ・いい日旅立ちを除けば、三都物語・ダンディズム、浪漫鉄道〈蹉跌篇〉、そして第4トラックの小さな肩に雨が降るなどが私のお気に入りである。
さだまさし 家族の肖像
家族の肖像
さだまさし/フリーフライト/WPCF-408/2900円/91.7.25
1;春/2;ハックルベリーの友達/3;ヨシムラ/4;神様のくれた5分/5;猫に鈴
6;October~リリー・カサブランカ~/7;秋の虹/8;戦友会/9;秘恋
10;奇跡~大きな愛のように~
このタイトルは、さだまさしのテーマのひとつともなっている。自分は昭和50年代の生まれだが、昭和時代中期を感じさせるようなメロディーで、妙に懐かしさを感じさせるナンバーが揃っている。さだまさしの詞は自身の体験を元にしたものが多いために、直接的にその詞の光景を理解することは出来ないが、心に突き刺さるような感情が伝わってくるのである。会話のない家庭が最近増えているという。一度このアルバムを聴いて、家族というものを見直してもらいたいものである。
ドリフターズ シングルコレクション
ドリフのシングルコレクション
ザ・ドリフターズ/東芝EMI/TOCT-6352/2500円/91.12.18
1;ズッコケちゃん/2;いい湯だな(ビバノン・ロック)/3;ミヨちゃん/4;のってる音頭
5;ドリフのズンドコ節/6;大変うたい込み/7;ドリフのほんとにほんとにご苦労さん
8;冗談炭坑節/9;誰かさんと誰かさん/10;ドリフのおこさ節/11;ドリフのツンツン節
12;ドリフ音頭 北海盆唄より/13;ドリフの真っ赤な封筒/14;ドリフのピンポンパン
15;チョットだけヨ!全員集合/16;ドリフのビバノン音頭/17;ドリフのバイのバイのバイ
18;ドリフの英語塾/19;加藤茶のはじめての僕デス/20;志村ケンの全員集合 東村山音頭
21;ゴー・ウエスト
さすがはお笑いバンドらしい、コミカルなナンバーになっている。昭和43年から、昭和53年の約十年間にわたってリリースされた、シングルレコードのA面・B面全曲を収録したもので、彼らの全曲とともに、変遷をうかがえる。バンドとして一流の才能があり、暗い気持ちを明るくしてくれそうな魅力がある。
さだまさし シングルズコレクション6
SINGLES COLLECTION 6
さだまさし/フリーフライト/WPCF-732/2400円/93.1.25
1;時代はずれ/2;勇気を出して/3;夢の吹く頃/4;理・不・尽
5;建具屋カトーの決心-儂がジジイになった頃-/6;あなたを愛したいくつかの理由
7;修羅の如く/ 8;たまにはいいか/9;冬の蝉/10;破/11;長崎から/12;長崎小夜曲’90
さだまさしのシングルコレクションと題した6枚目のアルバムである。私がこれを購入した理由は、11トラック目の「長崎から」が気に入っていたからである。全体的に優しさとうら悲しさをたたえた曲になっているが、1,5はさだまさし得意の弾き語り調でコミカルな感じの曲となっており、心を和ませてくれる。さだまさしの曲はファンとそうでない人との較差が大きいが、一度じっくり視聴してみると、価値観が変わるかも知れない。
さだまさし ベスト
さだまさし ベスト
さだまさし/フリーフライト/WPC7-8088/3000円/94.12.21
1;北の国から-遙かなる大地より~螢のテーマ/2;道化師のソネット/3;雨やどり/4;案山子
5;関白宣言/6;関白失脚/7;秋桜/8;精霊流し/9;無縁坂/10;親父の一番長い日
11;防人の詩/12;風に立つライオン
さだまさしのCDの中で私が一番お薦めなのがこれである。「北の国から」、「関白宣言」、その続編である「関白失脚」。そして、山口百恵に提供した「秋桜」など、グレープ時代の曲を含めた正にベスト版が選りすぐって収録されている。特に気に入っているのが最終トラックの「風に立つライオン」。好きだった人から遠いアフリカの地に届いた手紙の返信を、アフリカの雰囲気を彷彿とさせる雄壮なバックミュージックと共にうたい綴っている。聴くたびに、心にしみるものを感じる。
堀内孝雄 NEWベスト
ニューベスト 恋唄綴り
堀内孝雄/ポリスター/PSCR-5114/3000円/90.10.25
1;恋唄綴り/2;川は泣いている/3;ガキの頃のように/4;野郎たちの挽歌/5;夢つれづれ
6;憧れ遊び/7;冗談じゃねえ/8;今日も最高やねェ!-浪花に夢の風が吹く-
9;愛しき日々/ 10;あなたが美しいのは/11;愛さずにいられない/12;昔からウイスキー
13;10代のように/ 14;遥かな轍/15;青春追えば/16;北斗を仰ぎみれば
今現在、完全に演歌に傾倒した堀内孝雄だが、以前はポップス系の曲を数多く出し、ファンであった。これはその頃の集大成と言えるアルバムであり、「愛しき日々」などの名曲が収録されている。高校時代にすでに「恋唄綴り」や「愛しき日々」を完全に歌いこなしていたことを考えると、第2期堀内孝雄(アリス解散後のソロ活動時)にかなり傾倒していた自分がうかがえる。最後の「北斗を仰ぎみれば」は、透き通るピアノの前奏が心地よい、堀内ナンバー中で一番に好きな曲である。
GENTS
堀内孝雄/ポリスター/PSCC-1031/3000円/91.6.1
1;さよならだけの人生に/2;三色幻燈/3;見知らぬ恋人/4;肩の上のピエロ/5;抱いてやろうか
6;青春でそうろう/7;プラトニック/8;秋霖(しゅうりん)/9;風の針路(みち)/10;無礼者
「ジェンツ」と読む。堀内孝雄オリジナルアルバムの中ではこれが一番好きなものである。これは高校時代に購入し、北海道への研修旅行・修学旅行に行った際ウォークマンで聴いていた思い出深いものである。選曲は言うまでもなく、フェリーの上で聴く『青春でそうろう』、『プラトニック』(それぞれ日本テレビ年末時代劇・田村正和主演『勝海舟』主題歌)と、『風の針路(みち)』は最高だった。
そんな若い頃の想い出が詰まっているので、今聴くと無性に懐かしい。ちなみに『風の針路』は、レシュカリア古代戦記~約束の街・Blue in the blue sky~で、航海士トルフェンのイメージソングにしている。
Cappuccino
堀内孝雄/ポリスター/PSCC-1058/3000円/92.5.25
1;恋文/2;青春譜/3;夢に吹かれ/4;秋の匂い/5;君がまぶしい時
6;都会の天使たち/7;返して.../8;愛が輝いているから/9;月が笑ってらぁ/10;遠き日の少年
カプチーノと読む。第2期堀内孝雄(ポップス調時代)の中で私が持つ最後のアルバムである。オープニングチューンの『恋文』は、91年末の日本テレビの大型時代劇『源義経』の主題歌であり、静御前の思いを綴っている名曲。拙作・『With You~みつめていたい~後伝奇譚・まほろばの絆』の構想執筆にあたり、再び何度も聴くようになった。
意外で特にお気に入りなのは第5トラック『君がまぶしい時』。ブライダルソングとして実際に結婚式場で使われていたことがあるという、堀内流バラードソングの最高峰(自己評価)。『月が笑ってらぁ』、『遠き日の少年』などはポップス演歌とでも言うのか。でも、この曲もお気に入りである。