ジャケット | タイトル レコード会社/コード番号/価格 トラック;曲名 |
石長直輝のレビュー |
SEVENTEEN’S MAP-17歳の地図- ソニー/SRCL-1910/2800円 1;街の風景-SCENES OF TOWN- 2;はじまりさえ歌えない-CAN'T SING EVEN THE BEGINNING- 3;I LOVE YOU/4;ハイスクールRock'n'Roll/5;15の夜-THE NIGHT- 6;17歳の地図-SEVENTEEN'S MAP-/7;愛の消えた街-LOVELESS TOWN- 8;OH MY LITTLE GIRL/ 9;傷つけた人々へ-TO ALL THAT I HURT- 10;僕が僕であるために-MY SONG- |
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尾崎豊が亡くなってから、尾崎音楽に出逢った人々は多いだろう。年齢を超えてのファン層が広がり、私もその中の一人である。そして最初に購入したCDが「17歳の地図」。彼の追悼番組を見て強い衝撃を受けたのは、名曲「I LOVE YOU」。力強く世情を批判しながらも、どこかにそんな世の中を優しく見守るような感じがある。「OH MY LITTLE GIRL」にも代表されるようにラブソングも実にストレートに伝わり、聴く者を涙に誘ってくれる。希望と絶望を背中合わせにしたような、名盤である。 |
TROPIC OF GRADUATION ソニー/SRCL-1911/2800円 1;Scrambling Rock’n’Roll/2;Bow!/3;Scrap Alley/4;ダンスホール 5;卒業-Graduation-/6;存在-Existence-/7;坂の下に見えたあの街に-Downslope- 8;群衆の中の猫-Cat In The Crowd-/9;Teenage Blue/10;シェリー |
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尾崎豊のことは語ればきりがないが、彼の思いを綴ったエッセイ的なナンバーが揃っているアルバムではないかと思っている。代表作「卒業-Graduation-」を始めとするナンバーには、自分という存在と抑圧された精神、いじめ、少年犯罪など現代社会において、改めて切実たる問題に直面した内容になっている。将来への警鐘か、それともただの自己陶酔か。どちらにせよ彼の曲を聴いていると、共感という域を超えて、大切な物を失くしていった私たち現代人に対する、強烈な皮肉にも受け取れてやまないのだ。 |
through the broken door-壊れた扉から- ソニー/SRCL-1912/2800円 1;路上のルール-RULES ON THE STREET-/2;失くした1/2-ALTERNATIVE- 3;Forget-me-not/4;彼-GRIEF-/5;米軍キャンプ-BASE CAMP- 6;Freeze Moon/ 7;Driving All Night/8;ドーナツ・ショップ-DONUTS SHOP- 9;誰かのクラクション-SOMEBODY BEEPS A KLAXON- |
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若者たちに対するメッセージ。彼の回顧録を振り返ると、ゴールのない道をひたすら走り抜けていった、孤独で勇敢な戦士だったと思わせる。「Forget-me-not」わすれな草と題されたこの曲には、そんな果てない孤独の中にも、小さな幸せを育んできた彼自身の記憶を彷彿と漂わせる、悲しくも希望に満ちた名バラードソングとなっている。純粋な心を持つゆえに、この混沌とした世の中にどす黒く染まりたくなかった永遠の少年・尾崎豊の人物像が、強く表現されているアルバムであると思っている。 |
Confession ForExist-放熱への証- ソニー/SRCL-2394/2800円 1;汚れた絆-BOND-/2;自由への扉-ALL HARMONIES WE MADE- 3;Get it down/ 4;優しい陽射し-IN YOUR HEART-/5;贖罪-ATONEMENT- 6;ふたつの心-TWO HEART-/ 7;原色の孤独-PRIMARY- 8;太陽の瞳-LAST CHRISTMAS-/9;Monday morning 10;闇の告白-EXIST IN THE DARK-/11;Mama,say good-bye |
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上辺ではなく、本当に「心優しき男」だった尾崎豊。ゆえにやり場のない怒りや哀しみを、歌という形で表現しつづけてきたのだろう。本当の「自由」を求めて、あまりにも短い一生を駆け抜けていった彼を思いながら聴くたびに、心痛む思いがするのは今も変わりがない。ゆえに、余程のことがない限り彼の歌を聴くことはない。彼の歌には直接心を打つ、一種の麻薬のような作用がある。死ぬほど落ち込んでいるときに、このアルバムを聴くと心が落ち着くのである。 |