浪漫大陸~回帰篇~
巡りゆく季節を越えて
たどり着いたこの故郷(まち)の
安らぎと緑の風が
旅立ちの日と変わらない
数え切れないほどの傷みの数さえも
愛する家族の笑顔を見ればまるで夢のようだね
疲れた身体横たえ
いつまでも眠れ旅人
今日だけは全てを忘れて
母の胸の中で眠れ
夢をあきらめず生きてきた
それが哀しみと気づかず
あの人の瞳に浮かぶ
涙が愛と気づかず
古ぼけた田舎の山が秋に染まるとき
僕は遠い街で君と同じ空を見ている
遙かな道を行けば
想い出がくり返される
孤独な心に暖かい
写真の中の微笑みを
果てない回帰を往く
うつろう季節を越えて
戻れぬ故郷(まち)を想えば
募りゆく本当の愛
果てない回帰を往く
うつろう季節を越えて
戻れぬ故郷は褪せない
それが僕の中の浪漫
ひとときの帰郷。旅人は帰ってきたわけではなかった。帰りを喜ぶ愛する人達。彼らを思えば、旅人は自分の夢が、哀しみに向かっているものだということを気づいていなかった。そして再び旅立つ時、彼らが見せた涙が別れの哀しみと、旅人に注ぐ愛と気づくまでは、過酷な運命を越えたときだったのだ。