LETTER~故郷から~
懐かしい君からの手紙
受け取ったときは嬉しかった
あれから3年お変わりはありませんか
僕はあの日のまま何も変わることはなく
一日、一日を元気でいます
思えば二人盛岡で見た石割桜は
今も鮮やかに春の夜を彩っています
そして中津川に放たれた鮭の稚魚を見つめ
微笑んでいた君の横顔忘れません
忘れません
今ははるか遠いあなたに
伝えることは数え切れないこの年月の想いを
賢治の故郷花巻で見た夜空に
銀河鉄道で二人
永遠の国へ行く夢を見ました
千年王国平泉の
金に飾られた社変わらぬ美しさ
僕らの愛もこのようでありたかった
新しい道歩き出した君の
肩寄せ合う写真の中は幸せそうですね
未練じゃなく今は心から素直に
あなたにおめでとうと言わせて欲しい
思えば梅雨が明けた短い夏に
二人で泳いだ高田の松原は
今も変わらずたくさんの人たちが訪れます
海沿いの道を北に走りながら
君は遠い目でずっと
海を見つめていました
釜石を賑わしていた鉄工所はもうないけど
それでも人々はひたむきに
前を見つめています
僕はもうそばにいないけどだからきっと
君はひたむきに前を見つめているようですね
浄土ヶ浜の朝焼け年明けじゃないのに
一度見てみたいと言ってせがんだ
子供のような無邪気さ
龍泉洞の深き水世界一の透明度
僕もこの水のような心でありたい
そして渋民の優しい風景
とても穏やかな時間(とき)に包まれ啄木の詩を
忘れないよう君に贈ります
どうかいつまでも幸せでいて下さい
北の果ての小さな町から祈っています
僕はこの想い出を記憶の片隅に残しながら
現在(いま)を
明日を生きて行きます
それでは…さようなら…
地元・岩手県を舞台にした詩文はいつか作ってみようと考えていたのですが、これは手紙調の詩文となってしまいました。一応、岩手県の中で有名な所を紹介しているつもりですけど、岩手の人、違うと思ったらご一報下さい(笑)
参考楽曲/風に立つライオン(さだまさし)