春待ち人
その笑顔の奥に覗く不安が
涙を見せないのならば
濡れて冷え切った心は二度と
温もりの欠片さえない
待ち続けてもあなたの背中
降りつづく雪にかき消されて...
私は今でもあなたを待ちぼうけ
三度目の冬もこの駅に
ひとりぽっちの肩に積もる雪が
儚く輝いて舞い落ちる...
「私の名前 まだ憶えている?」
不安に怯えたか細い声
少し意地悪な答えに時間は
取り戻せると思っていた
永く寂しい孤独な春待ち人
忘れかけていた約束を
あなたを信じる一途な想いは
雪の白さに負けない
待ち続けてもあなたの背中
降りつづく雪にかき消されて...
私は今でもあなたを待ちぼうけ
七度目の冬もこの駅に
ひとりぽっちの肩に積もる雪が
儚く輝いて舞い落ちる...
ひとりぽっちの肩に積もる雪が
儚く輝いて舞い落ちる...
Kanon 水瀬名雪
『Kanon』から水瀬名雪をベースに書いたもの。60作目の川澄舞と同様、話の素晴らしさは筆舌に絶えない。この詞の内容は名雪との出会いのシーン、そしてEDの場面を掛け合わせて私が独自に構想しているためか、やや切なく悲しげな仕上がりになった。ところでご存知の方はおなじみだろうが、名雪のセリフが第2パートの始めに出ている訳だが、セリフを作詞に反映するのは初めての試みである。
参考楽曲/恋心 (徳永英明)