あとがき

5ヶ月強にわたって構想を重ねてきた【SMILE AGAIN~君の笑顔を守りたい~】を最後までご拝読くださった皆様に感謝いたします。



FE紋章篇、とりあえず終了
作、【休日~夏の日のグラにて~】は、全20話のくせに約3ヶ月という意外と速いペースで書き連ねることが出来ましたが、今回は全10話・約5ヶ月という期間がかかってしまいました。
まあ、原因としては途中で他の作品の構想やら、仕事上の関係で構想が中断されていたというネックもありましたが。
この小説を書き始めていたときは、これがFE紋章篇の後作になるぞ!などと言っていましたが、なになに、我ながら本文を書き進めていて、改めてキャラクタに対する感情移入が増してしまいましたね。
私としては【休日~夏の日のグラにて~】の内容にもあるように、基本的にはミネルバとカチュアが好きなんですが、リンダというキャラクタは構想を練っていくうちに気に入りました。
箱田真紀氏が描く物語にも強く感化されたものがありますが、とかくリンダもすこぶる人気のあるキャラクタなので、箱田氏の描くリンダ像とは違った、正統(?)なリンダ像に徹底したつもりです。彼女の人物像がイメージに合っているかいないかは、読み終えた方にお任せすることにしましょう。『まえがき』と、かなり異なっている発言かも?
と、言うわけで一応、この小説がFE紋章篇の終了と言うことになっていますが、気まぐれな私のことですから、気まぐれに別な物語を思いつくかも知れません。
たとえば、今度こそマルスとカチュアの恋物語とか、新たにマルスとミネルバのお話・・・・・・。アベルがパオラとくっついた!なんていう感じで(笑)
安易な構想の癖はいまだ直ってはいないかも知れませんね。

エリスの立場

らかじめ決められたストーリーを破ってゆくというのは、アマチュアにとって、ある意味楽しい反面、難しいものであります。
今回はマリクがエリスから離れてリンダと結ばれると言う仮想を念頭に置いて書き進めていたんですが、どうもエリスが浮いてしまった感じが我ながらするんですね。エリスを気に入っている方には大変申し訳なく思っております。
人生経験が浅い私にはこういった三者関係という奥の深いテーマに取り組むことは自殺ものとも言えるのです。ゆえに勝手な思いこみで、ほとんど強引に倫理観無視のストーリーと化してしまった。
とかく今回の小説におけるエリスやマリクの行動云々については、意見が分かれるところと思っての覚悟で描いています。読者の方々の意見をお待ちしてます。

前略エルレーン殿

回の物語には創作人物は一切でなかった!これは快挙か否か。内容の薄い物語になってしまっていることは全部の作品に言えることだが、今回はエルレーンが結構出演していた気がした。彼は美男子系なんだけど、マリクにエクスカリバー取られたり、逆ぎれでマリク殺そうとしてウェンデルに叱咤されて仲間にさせられたりと、キャラクタとしては三枚目のお方です。
彼って、意外と目立たない方のキャラクタではないでしょうか。私は彼のようなキャラクタ好きなんですが(笑)
と、言うわけで、リンダを励まし、ライバルであるマリクに道を諭してあげるという典型的な『いい人』になってしまいました。

イメージ楽曲に沿った内容となる

EENの曲である『素顔で笑っていたい』,『ありったけの笑顔』,『思いきり、笑って』、そしてWANDSと中山美穂の名曲『世界中の誰よりきっと』をイメージソングに書き進められたこの作品なんですが、【遠い思い出~Form Dragon Quest V~】以来のひさかたぶりにイメージソングの内容に沿った展開になることが出来ました。
『素顔で笑っていたい』は、全体のストーリーの流れとマリクの心境にすごくマッチできましたし、『ありったけの笑顔』はリンダを励ますという意味で、濃厚なスパイスとなり得ました。『思いきり、笑って』は、マリクとリンダのシーンの構想においてかなり雰囲気が出せました。『世界中の誰よりきっと』は、リンダ像をイメージするときに強いインスパイアを受けた楽曲。
それぞれの詞の内容に似た表現が、本文中にもつぶさに出しているので、一度聴くなり、読みながら聴いてみたり、読み終えた後にでも聴いてみると、雰囲気がわくかも知れませんね。お勧めしますよ(^_^)

少年期の心

ルスの人物像に対して、かなり違うと思っている方もいると思います。この小説のひとつの要素として、マルスの『成長』という概念が僕の中にありました。
理想を抱きながら暗黒・英雄の両戦争を戦ってきた、優しく、強い意志がありながらもどこかもろさがある少年マルスが、英雄戦争後にアリティアの王となり、アカネイア大陸を統べる英雄となったとき、現実を見るようになった大人となる。
大人になるって言うことは、少年時代に培ってきたものを自然に必要なもの、不必要なものに分け、不必要なものを捨ててしまうのではないかという、自身の観点をマルスに当てはめている。マリクは少年期のマルスをずっと見てきた。彼に限らず、『変わらないままでいて欲しい』という思いは、読者の皆さんも友達やら恋人に対して思ったことはあるだろうか?
それは自分自身が大人になりきれないことなのか、それとも、純粋さを失わない、大切なものなのだろうか。
笑い合ってみよう。心から笑える日を夢見つづけよう。そんな私の、読者の皆さんに訴えたい気持ち、伝わっただろうか。

最後になったが、読んでくれた皆さん、心からありがとうございます。そして、FEファンの皆さんご免なさい

99’1/9