Rest Tork



FE次回作に期待――――紋章の謎という名作をつづる
4話までご覧下さった皆さん、誠にありがとうございます。いかがですか?『休日~夏の日のグラにて~』と比較されてみて、架空人物の登場がない分、読み易いんではないかと自分では思っているのですがね(笑)
ファイアーエムブレム・シリーズは聖戦の系譜に続き、すでに次作の話題に持ちきりだと言うことですが、私はようやく聖戦の系譜に着手したところです。小説構想のネタ取りのためにも早くストーリーの把握をと思っているのですが、噂に聞いた以上に難しいシステムに驚いております。この難しさに慣れるのに必死で、ネタ取りどころじゃあないかも。
しかもいろいろと忙しさも重なってゲームをしている余裕すらないと言った感じです。まあ、それはともかくとして、そんな中FEファンは、おそらくその次回作に大いなる期待を抱いておられるかと思います。不肖、この私も発売されたら速攻で購入する予定であります。
『休日~夏の日のグラにて~』終了後、この『SMILE AGAIN~君の笑顔を守りたい~』の構想に入ったわけですが、これも『紋章の謎』を原作としています。
私にとってFEというゲームの世界に引き込まれたのは、友人から借りたSFC版『紋章の謎』である。何気なしにプレイしていたのだが、当時月刊Gファンタジー(エニックス刊)で連載が始まった、『ファイアーエムブレム~暗黒竜と光の剣~』(箱田真紀・著)と重なって急速にそのストーリーに感化されていったのである。
私にとってのFEの基本は、この『紋章の謎』である。今や古いゲームといわれつつあるが、このFEというゲームの世界の基本はすべてここにあるのではないかと確信している。次回作も大いに期待するが、もう一度、FEというゲームの世界を見つめ直すために私はこの小説の構想に踏み切った。
エンディング後の話と言うことで、FEファン・FE紋章の謎ファンの皆さんのイメージに沿っている内容になればいいなあと思っている。

マルスの変貌――――人の心はうつろいやすく……

にとってのメッセージ・ノベル(訴える小説)とは、「忘れかけている心を思い出してもらいたい」という、一貫としたテーマから来ている。
『休日~夏の日のグラにて~』では、「人を想う心,愛する心,仲間達と心の底から信頼し、笑い合う心」という、「三つの心」という言葉を創作していた。多分、この言葉の意味は僕自身でも漠然としてよくわからないものかもしれない。
ただ、『休日』で訴えかけたかったテーマは、本当の意味での『仲間・親友』というものであることに確信を持っていた。表面的に仲がいいなあと言うのではなく、いざ危険な目にあったときに、支え助けてくれるのが、本当の意味での「仲間・親友」ではないのだろうか・・・と言うことだ。これは、レシュカリア古代戦記でもテーマの一つとして取り込んでいる。
ならば、この『SMILE AGAIN~君の笑顔を守りたい~』のテーマというものはなんだろうか。
それは多分、「人は大人になってゆくにつれて、心も変わってゆく。少年期の純粋な思いは、年を重ねるごとに色あせてゆくもの。親友であれ、幼なじみであれ、大人になってゆけば昔のようにつきあうことは難しい。自分が相手に対して、いつまでも変わらないでいてほしいと願っても、それは出来ない。高望みというものだ。大人になってゆくにつれて、人は変わってゆく。相手だけじゃない、自分も変わってゆくものなのだ。それが、当たり前、普通のことなのだ。」
マルスが大人になったのか、それともマリク自身が大人になっていないのか、捉え方は人それぞれである。少年の頃の純粋なままでいてほしいと願うマリク。数多くの苦難を乗り越えて大人になったマルス。二人の親友はそんな葛藤を繰り返し、やがてすれ違う。そして、苦悩するマリクを見つめ続けるリンダ。
キーボードを打ちながら、かなり難しいテーマに立ち向かっているなあと、たびたび苦笑いを浮かべている。

「笑顔」の意味――――本当に思ってくれる人は

の小説は読んでいてそう思っている方もいると思うが、「暗い」です(爆笑)。
私が書く小説の味の素にしているイメージソングは、今回はベースとしてDEENの「素顔で笑っていたい」,「ありったけの笑顔」。そして、WANDSと中山美穂の名曲「世界中の誰よりきっと」を採用。三曲とも決して「暗い」曲ではない。
タイトルであるSMILE AGAINに現れているように、今回は「笑顔」というものについてちょっとこだわっている。
マリクとリンダの色恋沙汰を焦点にしているが、マリクは最初からエリスを好きでいるので、これを打ち砕かなければならない。・・・と、いう設定ではどこか、『遠い思い出』を書いたときと状況設定が似てくる。
そこで今回私が着目したのは、このゲームのエンディング後、アカネイアの王となったマルスや彼を取り巻く人々の変化と、純粋にエリスを慕い、マルスを慕う、一青年マリクの変わらない気持ちというものであった。
多くは語るまい。ただ、世の中の激しい変化の中で、本当の笑顔を忘れてゆくのは、何もマリクだけじゃない。私達も、多分本当の笑顔って失くしてしまっているんじゃないだろうか・・・などと思っているのである。
それはともかくとして、マリクが忘れかけている本当の笑顔を見せるとき、その側にいるのは、いったい誰なんだろうか・・・
つまらない蘊蓄はここまで。つづきをお楽しみ下さい。
98'11/4