CAST INTRODUCE
21歳。極北スールズ村のヒューマの青年。『ラドラスの落日』からの運命の流転を経て、カレギアの危難に立ち向かう旅に出た。攫われたクレアを思いながら悲愴にも似た旅を続け、人の悪しき心が作り上げた破壊神・ユリスを討ち滅ぼす。
スールズに帰還後、クレアとの微妙な関係を維持しながらも、戦友たちとの親交を大切にしている。いつしか、私的にも他人を思う心に目覚めた。
20歳。中都・ペトナジャンカのヒューマの青年。街を巻き込んだある事件をきっかけにヴェイグたちの旅に同行。天性の楽観的性格と猪突猛進さをして、立ち往生するヴェイグたちの先途を切り開いたムードメーカーである。
サニイタウン近郊で出逢ったヒルダのことを気に掛け、彼女から冷たくあしらわれながらも、直向きな性格をぶつけ彼女の心を氷解へと導く。それが、ヒルダに姉への思いと重ねたものではないと気づいた時、ティトレイは悩む。男の友情には超級だが、恋愛に関しては、ずぶの素人。
24歳。四星・トーマによって拉致され、兵器として養われた、ヒューマとガジュマとの間に生まれたハーフ。腰の下まで伸びた、長く美事なソヴァージュの黒髪が目を惹く絶世の美女。数奇な運命を経てヴェイグたちと旅を共にする。哀しい運命に笑顔を喪うも、ティトレイの並はずれた陽気さにほだされ、次第に心を開くようになってゆく。ハーフという負い目を乗り越えた彼女は、ティトレイの想いに答えることが出来ないままでいた。クールビューティの内面に、恋愛に対して極度に怖気がある。
31歳。ヒューマ。元カレギア王国大将軍。王国解体後に大憲章発布で成立したカレギア民主共和国の大将軍に就任。賢帝ラドラスからも絶大な信頼を得た、清廉潔白・忠烈漢。文武両道に秀で、カレギアの危機には中枢で孤立しながらもアガーテの為に剣を捧げた。幼い頃から身近にいたアガーテに秘めたる想いを懐き続けるも、アガーテが非業の死を遂げると、その遺志とともに彼女への貞操を守りつづけている。女性ならばこんな男性に愛されたいと思うほどの、騎士中の騎士。
20歳。カレギア王国哀賢帝・ラドラスの嫡子。非常に美しいガジュマの王女で、ラドラス崩御後に登極。奸臣ジルバに唆されるままに王国崩壊の道を歩まされた悲劇の女性。地位も名誉もすべて失った後、ヴェイグたちとの旅を経て、たった独りで世界の姿を見て慚悔。ユリス滅亡後、愚行を恥じ、ミルハウストへの想いを告げた後、生害。しかし、ミルハウストがアガーテに向ける愛の大きさは、神界をも揺さぶるものであった。
20歳。極北スールズ村のヒューマの女性。ヴェイグとは兄妹同然。清楚な美しさが人々の目を惹く。『ラドラスの落日』から数奇な運命に翻弄されるも気丈で前向きな性格が、神を味方につけ、危難を乗り切った。ヴェイグと恋人関係になるかと思われるが、なかなか一歩先に踏み出せないでいる。周囲から見ていてもどかしすぎるほど、二人は恋愛に奥手な風である。
43歳。元カレギア王国国王親衛隊・王の盾総隊長。王国解体後に大憲章発布で成立したカレギア民主共和国では、請われて中将軍に就任。忠義に篤く、ラドラスの落日に始まる一連の事件をヴェイグたちを巻き込んで解決に導いた。ガジュマ・ヒューマの枠を超えて人民の信望が厚く、ミルハウストと双翼でラドラス、アガーテらの遺詔を守り通す。ミルハウストの頑なまでのアガーテへの操立てを憂慮するというお節介な性格は変わらない。
18歳。王家典医バースの娘。父が殺されたことがきっかけで、ユージーンを初めガジュマを憎み、彼女もまた数奇な運命に翻弄されてきた。真実を知り、ユリスを討ち滅ぼした後、バルカにて医学に没頭。ユージーンに父の姿を重ねる一方、ヴェイグへの淡い想いを胸に秘めた健気な少女。自分の恋愛については不器用なくせに、他人の恋路を心配してしまう。将来はカウンセラーにでもなる気なのか。
16歳。少女と見まごうばかりの紅顔の美少年。その実は聖獣フェニアら六聖獣の力によって具現化された造成体。自らの出自に悩みながらも、ヴェイグたちにヒトとして受け容れられる。ユリス滅亡後は隊を離れ、フランツに倣って諸国行脚というじじ臭い趣味に興じている。その容姿ゆえに、女性のみならず、おじさんたちからも人気が高いという。それが目下の悩みらしい。
元・王の盾副長格。四星の一、ガジュマ。ジルバ暗躍の下、心ならずもユージーンたちに敵対していたが、獣王山の戦いでユージーンに敗れ、その真意を知り投降。現在はカレギア民主共和国の公安府長官としてミルハウストやユージーンの治世を支える。厳つい顔立ちで取っつきにくい感じがするが、実はすごく人の良いオッサンであるらしい。
元・王の盾幹部。四星の一。ヒルダと同朋のハーフだったが、寄る辺なき身の上、虚無的にジルバの野望に荷担していた。獣王山の戦いでヒルダに敗れ窘められ改心。ヒルダと共に暮らしながら静かに暮らす。ティトレイがヒルダに寄せる思いを感じ、興味を持つ。恋愛に全く縁のない人物だったため、ティトレイの冗談も真に捉えてしまうほど、ある意味極めて純真な女性。
王の盾の構成員だったヒューマの男。ヒルダの初恋の相手だったが、告白した彼女をハーフだとして忌み嫌う。その事がヒルダの心の隅に、拭いきれないシミを付けている。
東都・キョグエンの総督。貪欲で無能な領主・王斤(ワン・ギン)に仕えていたが、暴走したバイラスに対し、ガジュマを盾に保身を図った王斤を義憤から斬殺。ユリス鎮撫後に東都の有力者を取りまとめ、共和国建国後、東都総督になる。カレギアの一統を目指す大将軍・ミルハウストに同調し、王国に忠誠を誓い、東都の独立を目指す戀景一派と対立する。
通称(字)は詩瑠(シーリウ)。東都の富家・戀家当主戀景の長女。ガジュマ。カレギア王国リンドブロム家に絶大な忠誠を誓う家訓を伝え、戀唱も小さい頃から男子に引けを取らない豪気な立ち居振る舞いを見せていた。事ある毎に向侯と激しく対立し、遂に東都騒乱の御輿とされてしまう。
通称(字)は祥河(シャンホ)。戀景の次女で戀唱の妹。気性の激しい姉とは対照的に沈着冷静な性格。東都騒擾による大将軍ミルハウストの大業の妨げになることに心を痛めている。ミルハウストに仄かに想うところがある。
通称(字)は俊遼(チュンリョウ)。首都バルカ駐箚キョグエン公使。ヒューマ。東都騒擾の責任を追及されミルハウストから更迭されてしまうことになる。実直な性格で人望があり、流人を積極的に邸に住まわせている。その中に……。
水を守護する聖獣。愛らしい容貌と少年のような無邪気さでヴェイグたちの力となった。人に絶大な興味を持ち、人の世界での共存共栄に積極的である。ユリス滅亡後、人智でカレギアの再建を誓うヴェイグたちを見届け、聖獣王ゲオルギアスらとともにカレギアを去ったはずだったが…。