あとがき

◆三週目の誘惑

あれは確か第十一話くらいの創作に取りかかっていた頃だったと思うが、ネタ取りで進めていたシンフォニアは三週目の終盤。フラノールの雪見イベントでしいなを選んだのが岐路だったに違いなかった。それまで二週目まではコレットだったので、エンディングは全てコレットなのかなと思い込んでいたから、その後の展開で、構想も全てがしいなに偏り、あのヘイムダールのイベントがほぼ核心をついたと言って良い。
何だ、ロイドもなかなかの色男じゃねえか。などと自己弁護をしつつ、小説も横道にそれつつ、あわや“ロイしい”路線へと脱するところだった。恐るべし、恋愛イベント。恐るべし好感度。
まあ、横路に脱し、無駄に枝葉の多いストーリーを作ってしまうのは私の悪い癖なのだが、書いてみた欲求を遠慮せずに吐き出させることが出来るのは特権である。しいなのようなキャラクタは正直好きだ。元ネタが日本人。瑞穂の民というからオリジナルキャラも堂々と姓名で表せる。嬉しい限りであった。

◆「君をつれて」、「永遠の果てに」

足掛け8ヶ月。実際にサボっていた期間を含めて半年に及ぶ構想執筆期間だった訳だが、鷹嶺 昊としても静かなりとも色々とあった月日でもあった。それはともかくとして、全十九章という長編小説の完成は、18禁のドラゴンクエスト5小説以来、実に二年ぶりの快挙と言うことになる。まあ、内容はともかくとしても、ここまで来られたのは、密かになりあからさまになり、この拙作を応援してくれた、読者の皆さんのおかげである。
さて、拙作が最初から謳っていた、徳永英明氏の「君をつれて」、「永遠の果てに」を聞いてくれた読者はいらっしゃるであろうか。全てを読み終えて、この二曲と連動する私の考えが伝わっていただけたら嬉しいと思う。特に終盤はタイトルにもなっているから、是非聴いてもらいたいものだ。重ねて願うもの。

◆ショコラ・セレス。私的ツボキャラ

ゼロスの妹、セレスはともかくとして、ショコラが結構お気に入りなのは鷹嶺がちょっとマニアックなのかと思う今日この頃。気が強くて反骨精神溢れる女丈夫。さながら天空の城ラピュタに登場するドーラの若かりし頃のような感じ。鷹嶺は小心者ゆえに実はしっかり者の女房がいてくれればこれに越したことはない。家事もどちらかというと嫌いじゃないから、コレット系の娘よりもショコラ系が個人的には萌えると言えるな。
セレスは本来登場する予定はなかったんだけど、先述の理由から結局出さざるを得なくなったという感じ。まあ、鷹嶺の本心としては「お兄さま、ぎゅっとして」などという科白をこの天の邪鬼に言わしてみたかったという邪な野心があった訳なのだが。それにしてもこの娘も病弱という割にはべらぼうに強かった闘技場事件。その後という設定だから我ながら無理があって笑える部分に尽きない。兄のゼロスと一緒に暮らすという話は多分、私以外のシンフォニアプレイヤーの人たちも、内心思い描いていたのではないだろうか。だとすると、こういう結末もあって良ければと自己納得、いやはや失礼。

◆終えてみて

そんなわけで鷹嶺流テイルズオブシリーズ初の小説は何とか終わらせることになったわけだが、穴だらけなのはいつものこと、勘弁してもらいたい。何分道楽なものだからな。
始めから気づいていた人もいるかも知れないが、各章のサブタイトル、あまり意味がなかった。後半はそれなりに意味を持つようになった気がするが、英文はほとんどスペル違いとか文法にあって無かったりする。ネットの翻訳ソフトは当てにはならない、気をつけよう。
そして最後に、ロイドやコレットを始め、各キャラクタに思い入れのある人、各検索エンジンをキーワードで辿って来られた方々にお詫びしよう。そして、それでも楽しんで読んでくれた心広き人々に伏してお礼を言わせていただきたい。
また、構想する時に参考のために廻ったHPで、シンフォニア系のCG・イラストを掲載しているクリエイターの諸卿に対してもこの場を借りてお礼を申し上げたい。
この文を書いている時は新作・テイルズオブリバースの話題がちらほらと聞こえてきている。果てさて、鷹嶺流テイルズオブ~次はあるのかないのか。いやいや、そう言えばデスティニー2のカイル×リアラも書くとか言っていた。いつになるのかねえ。
それでは、「キミとともに~愛のかたち~」これにて劇終でござる。合掌。

今日ばかりは略称御免。先日降った、季節外れの雪に驚きながら……鷹嶺 昊 2004年4月27日