REST TALK by Kou Takamine
■グータラ人間・鷹嶺がめずらしく長文構成! |
決して自慢をするわけではないが、私ははっきり言って創作活動は怠慢な方である。小説を書くためにパソコンに向かっていても決まって落ち着かない。椅子に黙って座っているとそれだけでいやになる。 音楽を聴いたり、煙草の本数も自然と増える。一時間経って、ひどいときには2行のト書きすら出来ていないと言う有様なのだ。 プロの作家として飯を食っているわけではないので、まあ…気楽と言えば気楽なのだが、プロになればそうも行かなくなるだろうと思うと、ま、このままでもいいかなと思うときもあるのだが(笑) そんな私が、一話一話を長文に仕上げて掲載してゆくというパターンは、自分でも希ではないかと思う。他の作品を見ればわかるが、一話一話はそれこそショートストーリーのように短めにしている。決して作品に対してグータラと言うわけではないのが、このまほろばの絆に関しては、どうしても長くなってしまうものだから、我ながら不思議である。休日~夏の日のグラにて~の終章3話ほどとまでは行かないが、まあ、似たような物だろう。 |
Naori Hikawa
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■With You~みつめていたい~・氷川菜織に対する想い |
はっきり言って、私は氷川菜織というキャラクターが好きである。勿論、現実と絵を混合しているわけではなく、容姿も含め彼女の持つ人間性(キャラクター性)が好きという意味である。 二十有余年生きてきて、様々なゲームに触れてきた。自身のライフスタイルと言うべき、創作小説・レシュカリア古代戦記~約束の街・Blue in the blue sky~と、これの指針とも言うべき『英雄伝説III』、『テイルズ・オブ・デスティニー』を別格にして、恋愛観・人間観・失くしたものへの価値観というべき点で、私が強烈なインスパイアを受け、一年以上が過ぎた今でも愛しやまない作品となったのが、原作『With You~みつめていたい~』なのである。 客観視すれば、この物語は数多世界を占める美少女恋愛ゲーム(俗に言うギャルゲー)のひとつに過ぎないし、氷川菜織というキャラクタ自身も、他作品でもよく見かけるタイプなのであろう。まして、PC版では18歳指定の為にユーザーが限られ、SS版でようやく許容範囲が広まったものの、正直言えば知名度は低いし、評価的にもよくもなく、悪くもない。つまり、続出する美少女恋愛作品の一角に過ぎないわけである。 だが、少なくとも私自身の中ではこの作品が与えてくれた要素は何にも増して大きなものがあった。大きな事を語れば長くなるので一部割愛し、氷川菜織というキャラクタについて、私自身の風変わりな思いこみを少し語ろうと思う。 |
■鷹嶺は彼等の代筆者である |
Manami Naruse
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菜織の頭のハネッ毛は何本か?などというマニアックな疑問はさておこう。 当作品に出てくる“うつぼ”というキャラクタは、世間一般の源義経系の小説やドラマに出てくる人物なのである。実在したのかどうかはわからないが、機会があれば調べてみて欲しい。ただ、この小説における鞍馬山の神官の娘という設定は私独自のものなので、間違わないでもらいたい(笑) 自称・歴史マニアの私が入れ込んだWith You~みつめていたい~の主人公伊藤正樹と鳴瀬真奈美、そして氷川菜織の三人の幼なじみという設定において創作するとき、私は歴史上の幼なじみという存在を追った。有名どころで木曾義仲、巴御前、今井兼平だろう。その他ははっきり言って創作すればいくらだって作れる。 着目したのは静御前。彼女の性格を鳴瀬真奈美に重ねてみた。実に似ている(とは言っても、全く違っている、私自身の思いこみかも知れないが)。ならば主人公正樹は源義経で、氷川菜織はうつぼ? 三人を幼なじみにして共通点を作ってみようかな……と。 多分、リーダーの皆さんは思ったことだろう。正樹は義経、真奈美は静、菜織はうつぼ、それぞれの生まれ変わり。つまり転生したのではないかと。 私がリーダーの方々に従順で行くならば多分、そうなのかも知れない。が、なにぶん私はへそ曲がりであり、正樹や菜織のような素直さはない。ゆえに敵を作ってゆくタイプだ。もしかするとそうなのかも知れないし、あるいは違うかも知れない。はっきり言えば、私自身もわからない。 彼等が『まほろばの絆』という広大な舞台をどう演じ回るのか。私は彼等の自由な演技を書き綴っているだけにしか過ぎない。いわゆる彼等の代筆者だ。私が書いているのではない。彼等が私に書かせている。それだけなのだ。 |
Masaki Itoh
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■deja vu~いつまでもそばに君がいるだけで~…正樹が作った創作詞 |
おこがましいが、カラオケのシーンで正樹が歌った歌はWith You~みつめていたい~レビューならびに創作詞に掲載されている、『deja
vu~いつまでもそばに君がいるだけで~』である。作詞は伊藤正樹。不肖私が補作したものである。と、正樹は実在しない。ま、そうなると私の書いたものになるだろうと言われるだろう。確かに、そうではある。だが、私はWith
You~みつめていたい~の世界において、確実に主人公・伊藤正樹からフレーズをもらったと信じている。彼が菜織と繰り広げる人間模様。時々、彼は私にフレーズを投げかけてくれた。私はそれを歌詞に直し、正樹に返したに過ぎない。deja
vu~いつまでもそばに君がいるだけで~は、正樹が創作したもの。ゲームの中の人物から書かされた最初の詩文なのである。替え歌?確かにこれは替え歌になる。私が替え歌風にアレンジして正樹に返した。しっかりと歌ってくれたようで安心だ(笑) ただ…私も採点機能付きのカラオケでチャレンジしたことがあるが、点数は最悪だった。正樹より悪かったかも知れない。要するにカラオケでは元曲通りに歌わないとダメなんだなぁと言うわけである。 |
■冴子・美亜子・柴崎・橋本先輩・みよかetc…愛すべき脇役達 | ||
サエ・ミャーコ・柴崎拓也・橋本先輩・橋本みよか……。With You~みつめていたい~には彼らのような脇を固める素晴らしき人物が登場する。まほろばの絆の執筆に当たっても、彼らが登場する場面は必要不可欠なんじゃないかと思い始めたのは最近のこと。 本当のところ、今回は彼らの出番を作る気はなかったわけであるが、どうもこの舞台が正樹達独自で動き始めた昨今、彼らが騒ぎ出してきて私も抑えきることが出来なくなってきたわけである(笑) ま、いずれ出番はあるかも知れないから、それまでは我慢してもらいたいものだが。 |
Saeko Tanaka
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■まほろばの絆 メインストーリー・イメージソング | ||
Miako Shigaraki
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ゲームを知っているリーダーの方ならば、With You~みつめていたい~の主題歌はくにたけみゆきが歌う『みつめていたい』である。 これぞ出過ぎたことだと思われるかも知れないが、まほろばの絆をドラマ化した場合を考える。オープニングテーマ曲は『みつめていたい』。ドラマ中で流れる曲と、エンディングテーマ曲がある。私は小説を書くとき、イメージソングを考える。理由はそれである。 で、ドラマ中のシーンに流す曲として思いついたのが徳永英明の『僕のバラード』。エンディングに流すとするならば、DEENの『JUST ONE』となった。これをまとめてメインストーリーイメージソングと言う。 ただし、これらのタイアップは別にある。私自身が勝手にそう思っているだけなので、間違わないでもらいたい。ただ、イメージソングに似合わせた表現は随所に使っているので、一度聴くなりした方が更に味わいが出ること確実である。私の書く小説は、すべてそうなのだ。 さてさて、休憩時間は終わり終わり。続きをお楽しみにしてくれれば作者冥利に尽きる。 99'11/5 Written by Kou Takamine |
Takuya Shibasaki
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