1998年に鷹嶺創書院の前身である「空想文芸館」において執筆した、「休日~夏の日のグラにて~」は、当時ほぼ無職であった頃の時間を使って書き進めたものでした。今から十二年前ですが、当時鷹岑(PN:石長直輝)もそれなりに若く創作意欲が旺盛で、相当無茶をしていた時代でもあります。 オリジナル版の全二十章は、書き始めからわずか三ヶ月で書き上げたという、今の鷹岑のペースからすれば驚異的なものでありました。 当時様々な事情があって仕事を退職し、腐っていた頃に書き上げたこともあって、この小説の主人公になってしまった、オリジナルキャラクタの「ルーシ」には、その生き方を含めて鷹岑昊の理想とした人物像が色濃く投影されているとも言えます。文中の彼のセリフには多く、当時の鷹岑の叫びのようなものが込められているのです。 そう言った意味もあって、鷹嶺創書院に挙げている様々な小説の中で、この「休日」は自分自身として一番気に入っている作品です。 この小説を加筆修正しようと思ったのは、12年の時が過ぎても今もなお、「休日~夏の日のグラにて~」という用語で検索をして下さる読者が居ること、そして本当にたまたまですが携帯型ゲーム機で、小説の原作である「ファイアーエムブレム・紋章の謎」のリメイク版が出たことでもあります。 12年ぶりの加筆修正するにあたって、多分主人公ルーシや、ヒロイン・カチュアやミネルバらも、やや磨れた感じになるかも知れません。鷹岑昊も、この12年さすがに当時のような無茶な夢と理想から、少しだけ現実を知るようになったからかも知れません。 1998年のオリジナル版を読まれて気に入って下さっている方は、どうぞご注意下さい。 |
連日の猛暑が続く中での久しぶりの涼しき日に 2010/07/29 鷹岑 昊