第十四話 司馬攸、端正の才智賞でたく後継に推し 羊徽瑜、子元を偲びて元姫の虧心を正す

 晋王陞進の祝筵は恙無く終ったが、元姫の表情は俄に晴れなかった。
「おう。これは元姫殿、ご機嫌はいかがかな」
 廊下をてくてくと歩み進む元姫を、老公が呼び止め拝礼する。
「これは休徴公……先日はありがとうございました」
 元姫も跪拝の礼を取るこの老公、瑯琊王氏の重鎮、王祥、字を休徴だ。司馬一族のご意見番のような魏の老臣である。
「子上公が晋王に陞進されたばかりなのに、随分と辛そうなお顔をされているようですな。美しいかんばせが勿体のうございますぞ」
「ええ……」
 俯き加減に微笑む元姫だったが、そこはかとなく寂しさを滲ませている。
「……そういえば、晋王は今日もご公務ですかな」
「はい……許昌に向かわれました。子上殿は江東の情勢を気にしているのです。と言うか、しきりに諸葛靚殿のことを気にしていて」
「仲思殿か――――。よほど公休殿を思っておられるような」
「諸葛靚殿は決して孫呉から離れない。彼の性格は、子上殿が一番良く分かっているはずなのに」
 ため息をつく元姫。しかし、王祥はじっと元姫を観察する。そして、徐に笑った。
「な、何でしょう――――」
「違いますな。あなたはそのようなことを気に留めてはなさそうだ」
 王祥の指摘に元姫はドキッとする。
「さしずめ安世殿と大猷殿の事であろう」
「き……休徴公――――」
 図星を突かれたのか、思わず目が泳ぐ。活眼の美姫として司馬昭や廷臣たちからも一目を置かれる元姫も、王祥には弱いところがあった。
 魏の大老臣としてその八十路の人生や政治経験はやはり元姫にとっては尊敬するべき存在で、王朗亡き今は祖父のような存在でもあった。
「…………」
 元姫は項垂れ、表情が崩れてしまいそうなのを必至に怺える。
「晋王の後継など、ゆるりとお二人で相談されれば良いであろう。何を思い詰めたような……」
 すると元姫は縋るような瞳で王祥を見上げた。
「しじょ……子上殿は――――子上殿は……! 無理を……無理をしています」
「すわ、なんと言われた」
 愕然となる王祥。
「自分では気づいていないようですが……ずっと無理をしてきたから――――身体が……」
「元姫殿――――それならば晋王に休息を取るように勧められよ。政務ならば公閭や公曾らがおる。社稷は万全だ。晋王が暫し朝議を外れたとて揺らぎはせぬ」
「ですが……子上殿は――――高貴郷公を弑し奉ってから人が変わられたみたいになって……。私の前ではふざけて見せているけど……見えないところで寝る間も惜しんで働いている……。本当に疲れているのに、それを茶化して心配を掛けないようにしてくれているが分かると……居た堪れないのです」
「ゆえに安世殿、大猷殿にも力を尽くして欲しい――――。だが、安世殿は楊駿や馮紞の如き取り巻きと遊興に耽り、目下大猷殿のみ、謹厳に振る舞われている。……なるほど」
 すると元姫は諦めたかのように俯いたまま微笑みを浮かべる。
「やはり休徴公には隠しだてが出来ませんね……。そうです。炎は――――とても心許なく」
「器に非ず――――ですかな?」
 図星をつく王祥に、元姫は言葉を継げない。
「まあまあ、事を性急に考えず、ゆっくりと構えなされ元姫殿。どうも、そなたらしくないのう」
「私……らしく――――ない……」
「何かがそなたの目を曇らせているのか」
 王祥の指摘に、元姫は慄然となった。そう、自分ですら気がつかない心の奥に潜む何かに。
 神妙になる元姫に、王祥は言った。
「そなたの心に大猷殿がおるならば、一度、羊徽瑜殿を訪ねてみれば良いかも知れぬぞ」
 その言葉に、元姫ははっとなった。
「羊徽瑜殿……」
「大猷殿は子元公の猶子となられ、羊徽瑜殿にも大変可愛がられた。……一度、話を聞かれてみるのも悪くはあるまいて」
「あぁ――――そうですね。さすがは休徴公」
「もしよろしければ、お付き合いしても良いが」
「いえ。大丈夫です」
 元姫が足踏みをするのではないかと王祥思っていたのだろうか、まるで子供か年端の行かない孫のような扱いに、元姫は頬を少しだけ朱に染めて首を振った。

洛陽・司馬師旧邸

(元姫、昭のことよく見ていてやってくれ)

 冷徹で高飛車だが、そこはかとなく優しかった声。ここに来ると元姫は胸がチクチクと痛むのだ。

(子元殿……)

 切なそうに瞼を閉じて思いを偲ばせる。
 志半ばにして斃れた、回天の英傑・司馬師。字を子元。元姫が敬愛する司馬懿の長男にして、晋王・昭の実兄。
 気高く、守旧や伝統を懼れず、後漢曹魏の呪縛を敢然と打ち破った天命の烈士。時代は色褪せた旧世代の幕を打ち捨て、真新しい司馬師の舞台を用意していた。
 その主役が、突然斃れた。
 諸葛誕の大乱を征伐中に受けた傷が裂け、破傷風が悪化し、東岳大帝はこの天命の烈士をあっけなく黄泉に引きずり落としていったのだ。
(元姫。私の分まで不甲斐ない弟のことを頼むぞ)
 それが、司馬子元が元姫に遺した最期の言葉だった。
 子元が在していた邸宅の前に佇み、元姫は忘れかけていた想いに駆られ、切なさを怺えるように唇を締めた。
 どれくらいそうしていたのだろうか。

「王元姫殿? ……元姫殿ではありませんか」

 幼さが残るとよく言われる自分の声とは正反対の、凛として、毅然とした声が元姫の回想を破った。
 顔を上げると、邸宅の扉の前には、質素な服を纏い、地味な飾りをあしらい、膝の下まで伸びた真っ直ぐな黒髪に、ぴんと背筋の伸びた姿勢。止ん事無き気品を漂わせる妙齢の美しい女性が心配そうに元姫を見つめていた。
「やはり。王元姫殿」
「徽瑜殿……」
 これぞ誰なん、泰山南城の名族・羊衜が娘にして司馬子元の後室・羊徽瑜。子元が愛しんでいた女性である。
「ご無沙汰を致しておりました、徽瑜殿……」
 恭しく拝礼をする元姫。
「そうですね。久しぶりです。それにしても元姫殿が――――お珍しい。さあ、どうぞ」
 徽瑜が手招き、元姫も応じた。

「祜はどうです。お役に立っておりますか」
 しばらく顔を見せていない弟のことを気に掛ける様子の徽瑜。
「叔子殿は子上殿に見出された謹厳実直の士。子上殿の期待に背く方ではありません」
 淹れた茶を出しながら、笑顔を向ける徽瑜。
「元姫殿にそう言われると、安心できますね。やはり……」
「羊家のお力、これからも欠かせません。叔子殿には、これまで以上に頼りになることと――――」
 元姫が一口、茶を含む。そして、徽瑜の方から切り出した。
「元姫殿、昔話をされるためにわざわざお越しになった訳ではありませんでしょう」
「徽瑜殿――――」
 全てが見通されているかのようで、元姫は恥じ入った。

 元姫が思っていることをひと通り話すと、徽瑜はくすりと微笑んだ。
「そうですか――――、あの子上殿が……。ふふっ、元姫殿も随分と肩の荷が下りられたのではありませんか?」
「いいえ。むしろ逆に心配の種が増えてしまいました。あれでは、やる気を見せない頃の子上殿の方がよほどましだったとさえ思います」
「ふふふ。それでは子上殿も立つ瀬がありませんね」
「何事も限度というものがございます」
 小さく憤慨をしてみせる元姫。
「そうそう。その表情」
 徽瑜の言葉に思わず元姫は表情を整えた。
「あなたはいつでも、子上殿のことを考えている時が生き生きとしています」
「そのようなことは……。でも、あの人はいつでも放っておけないのです。……お父上、そして子元殿の後を継がれたというのに、糸が切れた凧、手綱の切れた駻馬のよう」
 昭のことを語る元姫を、目を細めながら見つめる徽瑜。
「羨ましいわ――――」
「はい?」
「元姫殿が子上殿のことをこよなく愛していることが、よく伝わってきますよ」
 微笑ましいとはこのことを言うのだろう。確かに元姫自身、昭のことを話す時は心の重さを忘れる時がある。
「そ……そうでしょうか――――」
 ぽっと頬を染めて、元姫が俯いた。
「私は子元様とこうして暮してきましたが、子に恵まれず……あなたたちから攸をいただきました。本当に感謝しております」
 徽瑜の言葉に、元姫の記憶がまた蘇る。

(昭、元姫。その……頼みがある!)
(ん? 兄上が妙に神妙だ――――元姫、気をつけろ)
(何を言うの子上殿! 子元殿のたってのお願い、きちんと聞きなさい)
(あー……ゴホン――――単刀直入に言う。実はな二人とも。この私に、攸をくれないか)
(え―――――――?)
(はい――――――――?)
(私と徽瑜の間には子がいない。その――――)
(何だよ兄上、そんなんいつもちゃんと邸に帰って、義姉上との時間をゆっくり過ごしてりゃ済む話だろー。何も急いで跡継ぎなんか――――)
(私にはそのような悠長なことを言っている暇はないのだ。昭、お前のように“めんどくせ”で全てを片づけられるのならば苦労はせん!)
(ちょ……兄上、それは違……ってアダッ!)
(子元殿)
(あったッ……おいおい元姫ィ、せめてつま先踏むなって……)
(子元殿。攸のこと、徽瑜殿はご承知なのですか)
(私と徽瑜が、長い時間を掛けて話し合って決めたことだ。後は、お前たちに頼むということだけなのだ)
(……子上殿?)
(あんだよー……ってぇ)
(攸のこと、子元殿に預かってもらったらどうかしら)
(えぇ? 俺は別に構わねえけど、お前はいいのか? それに攸にも訊かねえと)
(だから訊いている。勿論、攸にも話はするけど)

「攸は子元殿、徽瑜殿の猶子になることを喜んで、私たちも、攸がお二方の薫陶を受けることをすごく誇りに思いました。……おかげで、攸も立派になり――――国を導く器に」
 すると、徽瑜は突然真顔になり、毅然と元姫を見据えた。
「故に、安世殿ではなく攸を公子に――――と考えているのですね」
「え……私は――――」
「あなたがそうお考えならば、子上殿もそうなのでしょう」
 徽瑜の鋭い指摘に、元姫は言葉を返せない。
 そして、徽瑜は茶をくいと飲み干すと、元姫以上の凛とした眼光で元姫を突き刺す。
「ひとつだけ、聞かせてくれるかしら元姫殿」
「はい……」
「何故、攸なのです」
 元姫は答える。
「炎は素行が優れず、楊駿や馮紞のような悪臣と連み、国事を顧みません。攸は聡明で方正。性格も温厚で人望も厚く、何よりも亡き父上や子元殿の大志を秘めております。これから築き上げてゆかねばならない子上殿の国家。国を治めてゆくべきは攸でなければ――――」
 すると、徽瑜は大きくため息をつき、首を振った。
「らしくないわね。さすがの“活眼の美姫”も、肉親のことになると、目が曇ってしまうのかしら?」
「……!」
「人の器量を見抜き、時を得て曹魏の大権を得た司馬一族の守り人であるあなたが、我が子の器を推し量れないようでは……晋王の治世も危ぶまれましょうね」
 徽瑜の厳しい指摘に、元姫は顔を赤くし、ただ俯くことしか出来ない。
「攸は確かに聡い子。義父上も特に攸にお目を掛けられ、将来を嘱望されてきました」
「…………」
「ですが、攸で孫呉を討てますか、元姫殿」
「…………」
「私は思います。攸は聡く品行も正しく、人望もあります。ですが――――雄図がありません」
「雄図……」
「天下を戡ち得て、民を統べる雄図。あなたが司馬一族に見た、太平をもたらす器量です」
「それが……炎にはあると言われるのですか」
「盛徳が位になるのではなく、位が人を盛徳にさせるのです。安世殿には武皇帝の気概がありましょう。決断が早く、事を先に延ばさない。孫呉を伐ち、黄巾の大乱より打ち続く塗炭の苦しみから民を救うことが出来るのは誰か。……私は攸ではなく、安世殿であると思います」
 凛然とした口調で司馬炎と言う徽瑜。元姫は不思議に思っていた。
「攸はわが子とは言え、子元殿と徽瑜殿の子でもあります。……攸を立てるのは子元殿の後を継ぐことでもあり、理にも適っているかと思うのですが……」
 すると、徽瑜は言った。
「今の司馬家は晋王である子上殿が当主です。攸は子元様と私羊徽瑜の子。亡き兄に無用な義理立てをして、道を誤るのですか、元姫殿」
「…………!」
「あなたも――――子上殿も、そして子元様もよく言っていたではありませんか。故人の遺志に縛られ、己が器量を知らぬ者は、必ず亡ぶと」
「…………」

「子元様は確かに大きな方でした。あなたが想い慕っていた方だけのことはあります」

 突然発せられた徽瑜の言葉に、元姫は愕然となる。
「なっ……何を仰います徽瑜殿!」
 しかし、徽瑜は微笑みながら興奮気味の元姫を宥める。
「何も慌てることはありませんでしょう。あなたが子上殿の元に行かれる前、そして私も子元殿の元に参る前の話なのですから」
 とはいうものの、突然そのようなことを言われて動揺しないはずもない。
「……しかし、元姫殿。子元様はもう亡く――――、世は司馬子上殿の治世。曹魏の命運は尽き、晋王への禅譲は蒼氓の童ですら知ること。……子元様の事は忘れ、子上殿と、子上殿を支えるべき安世殿のことを思いなさい」
 それは、攸では駄目だと言うことを強く示している言葉でもあった。
「徽瑜殿……」
 何故か心がかき乱される。徽瑜がおかしなことを言ったからだ。
「元姫殿、いかに私たちがこう言ったところで、決めるのは子上殿や重臣たちです。あなたが出来ることは、子上殿を誤った道へ迷い込まないようにして差し上げること」
「はい……」
「田文、袁紹、劉表、孫権の轍は踏んではなりません。血族の争いは最大の罪。これほど無益なことはないのです」
「はい。肝に銘じておきます……」
 神妙に頭を垂れる元姫。やがて、徽瑜の表情が柔和に戻り、区切りをつけるかのようにため息をついた。
「さあ、元姫殿。そんな堅い話ばかりじゃ肩が凝るわ。久しぶりに会ったのだもの。子元様のお話などをしませんこと?」
「し、子元殿の……。ですが徽瑜殿――――」
「今は昔。気兼ねなく話せましょう。子元様や、仲達殿のことなどを」
 それも一興かと思った。

洛陽・劉禅亭

 劉禅の亭に気ままに出入りをしていた少年・劉淵が河南尹の呼び出しを受けた。
「元海殿、何をやらかしたのだ」
 劉禅の言葉に、劉淵は苦笑しながら慌てて首を振る。
「人聞きの悪いこと言わないで下さいよー。こう見えて、足は出しても尻尾は出しませんってば」
「こほん……」
 劉禅の側に立つ星彩が冗談はやめてとばかりに小さく咳をしてみせる。劉淵は苦笑を浮かべて頭を下げた。
「まぁ、大方ウチの酋長か主人劉猛さまの事とかについてでしょーね。洛陽も巷にゃ最近、漢人以外の人間も増えてきてますし」
「確かに。洛外にはここのところ鮮卑などの居留地も増えてきているようです、劉禅様」
「ああ。禿髪樹機能……とか申したなあ、あの呂布のような男――――」
 劉禅と星彩の会話に、劉淵が思わずあっと声を上げる。
「うわ。劉公嗣さま、樹機能と会ってたんですか」
「ん? ああ、そうだが……。そなたに言ってなかったか」
「メチャクチャ初耳です。……うわー」
 唇をゆがめて呻く劉淵を星彩がきっと睨む。
「なに? 何か問題でもあるの」
「んー……問題って言うか、樹機能は何考えるのか分からねぇ奴だ! って、ウチの酋長言ってるからなあ」
「呼廚泉殿が」
「劉公嗣さま、私たちは漢土から見りゃあ同じ北の民ですから判るっていや判るんです。……ウチの酋長が言う通り、樹機能さんはあまり得体が知れないっすよ」
「あなたもそうだけど」
 星彩が何気にそう突っ込むと、劉淵は笑った。
「いやあ非道いっすよお姉さん。私はこう見えて実は何にも考えてません、ハイ」
 白い歯を見せて自嘲する劉淵に、星彩は小さくため息をついた。
「……冗談よ」
 すると、劉禅は穏和な微笑みを浮かべながら顎を小さく撫でた。
「はははは。呼廚泉殿が樹機能殿をそう思っているように、河南尹の王恂殿も私のことは嫌っているようだからなあ――――」
「劉禅様?」
 星彩が反射的に劉禅を見つめる。
「王恂……って、ああ。王元姫さんの弟――――。そっか、河南尹って、彼……」
「劉禅様、王恂殿に何か言い掛かりでも……」
 星彩の険しい表情に劉禅は笑いながら否定する。
「そうではない、早合点だ星彩。……だが、あまり快く思っていないことは感じるのだよ」
「何故です。劉禅様は王恂殿に恨みを買うようなことはしていないはずです」
 星彩が声を荒げると、劉淵が言った。
「案外、お姉さんが思っていることよりもずうっと単純な理由かも知れないっすよ」
「単純? どういう事?」
 鋭い眼差しが再び劉淵に向けられる。
「いえ――――何となくですけど」
 劉淵がはぐらかすと、星彩は肩を落としてため息をつく。
「何となくなんかでそんなこと言わないで。劉禅様の身に害が及ぶかも知れないのだから」
「はい、ごめんなさいっす……」
(まあ、その単純さが実はって事もままあるとは思うんですけどね) 劉淵は心の中でそう呟いた。
「そんなに神経を逆立てることはないぞ星彩。王恂殿は私とは人として反りが合わない。そう思っているだけかも知れぬ。他意がある訳ではないと思うのだ」
「はい……劉禅様がそう思われるのならば――――」
 少し不満気味に顔色を曇らせる星彩。
「お姉さん、気になりますか?」
 劉淵が訊くと、星彩は少し驚いた様子で振り向き、だが首を振った。
「大丈夫です。劉禅様がそう言われているから」
「……わかりました。では、劉公嗣さま、私はこれより河南尹殿の元に参ります」
「ああ。王恂殿によろしく伝えておくれ」
 やれやれとばかりに劉淵は背伸びをすると脚をバネにして跳ねるように立ち上がる。そして劉禅もいつものように劉淵を見送った。