OPENING NOTES


『遠い思い出』につづく原本の脚色作
『遠い思い出』の原本は、机の引き出しの奥にしまわれていた。これがドラゴンクエスト5。実はこれよりもっと前に、ドラゴンクエスト4を舞台とした小説を書いていた。作家・久美沙織氏が小説ドラゴンクエスト4を発表する以前から、原稿用紙に書きためていたもの。何年前になるだろうか。パソコンはもちろん、ワープロもなかったときだったので、原稿用紙に手書きで書きつづり、ファイルに綴じていた。たまりにたまった8冊のファイル。今かいま見ると非常に懐かしい反面、少々照れくさい。ある日、物置の片隅のダンボールに納められていたこのファイルを見つけた。いらない物は処分していったが、どうもこれだけは捨てられなかった。一生、陽の目を見ることもないであろうと思われていた、自己満足のファイル。あの時は、ものを書くことだけが楽しかったような気がする。ドラゴンクエストにはまっていた自分が、何とか自分の世界の中でもっと活躍させたいと、そんなことを考えながら、シャーペンを動かせていたような気がする。
8冊の原本ファイル
久美沙織氏はドラゴンクエスト4からドラクエ小説の担当をされているようだが、なかなか難表現を多岐に使われ、状況描写が非常に細かく、セリフが少ない。さすがはプロ作家だと敬服するが、私は1から3までを執筆されていた中屋敷英夫氏の小説の方が読みやすくて良かったと思っている。
しかも4巻完結という中にあって、このゲームのストーリーやイベントが、ある程度割愛されたものとなっていたので、ちょっと残念なところもあった。
私はもちろんアマチュアであり、プロのような細かい描写は出来ない。
このファイルに綴られている内容も、ほとんどゲームのストーリーに忠実に沿った内容となっているので、オリジナルの要素も含めると、8冊というとんでもない容量になってしまったというわけである。
眠っていたファイル。今になって陽の目に当てるというわけではないかも知れないが、遠い思い出のように、脚色してこの場に掲載してみようかなあと、思ったわけである。
DEEN『未来のために』
ようやく、この曲を用いるときが来たと思っている。私とDEENとの出会いは、この曲であり、今の私の原点でもある、貴重な曲となっている。
ドラゴンクエスト4の原本を脚色するときに、5部ごとのイメージソングも考えているのだが、全体の世界を考えているときに、ふと浮かんだ曲が、『未来のために』であった。歌詞の部分がどこか、第5章のオープニングで、天空の勇者がエンドールの街を彷徨っている場面を思い浮かばせ、さらに8人の勇士たちが一堂に会し、打倒デスピサロ!などと誓いを立てているなんていう光景が脳裏に浮かんだわけである。とかく、私にとって一番貴重なDEENの歌である「未来のために」をメインストーリーイメージソングにするわけだから、生半可な気分で執筆するわけにはいかない。ドラゴンクエスト4という壮大なストーリーに、オリジナル性を加え、忠実に再現出来るように、頑張って脚色し、執筆したいと思っている。