1.テレビジョンカメラ開発・・・23年(通算) テレビジョン放送のカラー化が完了し、第二ステップに差し掛かる1975年よりテレビジョンカメラの製品開発と 販売支援に従事した。放送産業では、カラー化を拡大する上で放送機材の性能向上が必須であった。当時技術的に克 服しなければならないテーマとして、@低電力化、A軽量化、B高画質化、C低価格化、D信頼性・耐久性向上など 多々あった。その後カラーテレビジョンは、NHKの提唱したハイビジョン方式へ移行する検討が活発に行われた。 政府、放送団体、企業団体が新市場創造に向けて、政策議論や方式認定、技術課題克服など様々な活動を繰り広げた。 そのような時期に、NHKとハイビジョンテレビカメラの共同開発および製品化されたカメラを、民間放送局やプロ ダクション会社へ販売促進するなど積極的な活動を推進した。 1970年代、放送局の番組制作は屋外撮影の需要が増加した。モデル名:HL-79E開発の主担当者に任命され、スタジオ カメラに匹敵する性能を発揮し、屋外だけでなくスタジオカメラのサブカメラとしても運用可能な小型カメラの製品化 を実現した。このカメラは、放送市場で小型カメラのスタンダードカメラと高く評価され会社発展に貢献した。 1980年代、アジア・南米市場で放送のカラー化が促進した。これらの国々では放送機材が高価なため、産業用の廉価 カメラを使用していた。しかし、放送用と産業用カメラは、技術的に大きな開きがあり性能、画質に歴然とした差があ った。○○鰍ナはアジア・南米市場向けに放送グレードの低価格カメラを投入する計画が立案され、開発担当責任者に 任命され製品化を達成した。その後当該機種モデル名:HL-43は、先進国でも廉価モデルではあるが高い評価を得ること ができ多くの放送局で使用された。このモデルは、産業用カメラ生産工場の再建に寄与した。 1990年代に入り、放送業界はハイビジョン放送移行に関する話題に集中するようになった。飽和しつつあるテレビ受 像機市場を再活性化するため、新方式による市場掘り起こしを目指した。政府、放送団体、企業団体が新市場育成に向 けて活発な技術開発を展開した。○○鰍ノおいても、NHKに協力してハイビジョンカメラの開発に参加していた。 80年代は、技術的に困難な課題が多く政策論や技術論が中心で、研究テーマとして取り上げられる活動が中心であった。 90年代になり、アメリカにおけるデジタル放送実施計画発表や壁掛け式テレビの発売を契機に、高画質であるハイビジョン 放送に活気が出始めた。ハイビジョンカメラの大量需要に期待が集まり、製品開発の総責任者に任命さ、それまで蓄積した 放送カメラ技術と産業用低コスト化技術を駆使して、従来機材と同等なコストでハイビジョンカメラ:HDK-790D/79Dの製品 化を達成した。 2.ISO認証取得 1995年、ISO9000認証を取得するため、品質マニュアル、各種規定書作成、職場定着を推進した。当時はISOの品質要求事 項の解釈が定着しておらず、認定団体JQAの認定者も人により要求事項の解釈が異なり、指導方法も度々変更さる状況に苦労 の連続であった。そのような状況において、日常業務を遂行しつつISO認証取得を達成した。 取得後も内部鑑査者として、職場への品質管理の浸透と質的向上に努めた。 3.工場管理業務・・・5年(通算) 決算書作成のため、工場は半期ごとに原価情報や予算執行計算書を提示するが、財務会計情報だけでは正しく工場の数値 評価が行えないと考え、原価計算の知識を用いた工場経営白書を提案し作成者になった。工場を見かけ上の独立企業体と仮 定し、受注金額情報、工場管理費、原価情報をもとに工場における管理会計の導入を行った。 上記の資料を基に工場生産工程設計の総責任者を担当し、問題点の抽出、改善テーマの選択、改善目標の設定、MRP、BTO/CTO を取り入れた生産工程設計書、実行スケジュールを策定した。さらに組織改革、実施マネジメントおよび社員教育を実践した。 成果として、在庫削減とリードタイム短縮を達成した。 また官庁が実施した、原価監査に対応する工場責任者を担当した。 4.社員教育 @ 技術者に対しコスト意識向上の教育をすべきと提案した。マクロ経済学、原価計算など理工系では学ばなかった分野の教 育を提案し、自らが講師として技術者育成を実行した。 A 知的障害者雇用を提案し、従業員へ障害者指導の専門家と共同による障害者受入教育を行った。そして、障害者を職場へ 向かいいれる事により、従業員に社会人としての責任を自覚させ、且つ企業として地域社会へ貢献する姿勢を示した。 3年間に知的障害者5名を受入れ、東京都大田区大田福祉作業所長より感謝状を頂いた。 B 本社新卒募集活動に関して、2月から5月まで毎週2・3回実施される会社説明会において、「求められる技術者、職場見学」 を担当した。高度成長が鈍化しマイナス成長の状況で、現在の放送業界の状況、企業間競争、企業が求める技術者像、技術 者教育方法などを学生に説明し、入社後に貢献してもらえる学生募集に取り組んだ。 5.取得特許(企業出願) 第3375035号 平成14年11月 電子顕微鏡用TVカメラシステム 第2773900号 平成10年4月 NTSCカラーテレビジョンカメラの映像処理 第2744577号 平成10年2月 固体撮像装置の映像位相調整回路 第2647772号 平成9年5月 固体撮像装置 第2583325号 平成8年11月 階調補正回路 第2548443号 平成8年8月 映像信号圧縮回路 第2509346号 平成8年4月 カラーテレビジョン映像処理装置 出願済み(どうなっているかな) 特開平7-24422 平成7年3月 カラーテレビジョンカメラの輝度信号作成回路 特開平5-219513 平成5年8月 固体撮像装置 特開平4-79508 平成4年12月 輪郭強調装置 特開平4-120996 平成4年4月 カラー映像処理回路 特開平4-120996 平成4年11月 カラーテレビジョン映像処理装置 特開昭62-239670 昭和62年10月 輪郭強調装置 特開昭58-46781 昭和58年3月 マゼンタ方向アパーチャ補正回路 特開昭57-133786 昭和57年8月 白バランス動作表示方式 特開昭55-135471 昭和55年10月 テレビジョンカメラの撮像管保護装置 6.執筆論文 平成8年 テレビジョン学会 4板式CCDカメラ 平成7年 同上 130万画素CCDを使用したハイビョンカメラ |