私は、仕事の関係で対数を含む計算をしなくてはならず、はじめは計算尺(ちなみに計算尺を知っている人はもう少ないと思いますが、私は一級の資格を持っています。今では何の意味もありませんが!)しかなく、1つの答えを出すのに15分くらいかかり、検算を含めると30分以上を要していました。このような計算を300〜400件しなくてはなりませんでした。 明けても暮れても計算尺の毎日にうんざりしていたところ、昭昭和46年にアメリカのモンロー社と言う会社の卓上コンピュータ?(私の知っているところでは、日本では四則演算ができる電卓が出始めた頃です。)を事務用品店の方から紹介してもらい、後で購入するので、すぐ持ってきてほしいと無理を言って事務所に届けてもらいました。このコンピュータはスーパーなどにあるレジスターのような格好をしていて、レジでもらう売上伝票と同じようなロール紙に印字し、プログラムは紙製のカードに穴をあけて作り、カードリーダーで読ませるという非常に原始的でしたが、それまで計算尺で15分位かかって解いていた対数計算を含むシミュレーションを瞬時(瞬時と言っても対数計算を解くのに2秒位を要しましたが。)に解いてくれました。これを見たときは驚異的な感動を得たものです。
その後、昭和47年と記憶していますが、別の業務でどうしてももっと高速のコンピュータがいるようになり、タイプライターで有名であったイタリアのオリベッティー社のコンピュータ(当時400万円もしました。)を使用しましたが、このコンピュータでも時間がかかりすぎた(一回の計算に3日程度を要した。連続で3日も動かしたため、モータが焼けてしまったこともありました。メーカーはこのような使い方は想定していないと驚いていましたが。)ため、近くの大学の計算センターの大型コンピュータを借りて、計算を行っていました。 このようなことから、自前の大型コンピュータの導入が必要と言うことで、昭和48年に、富士通のFACOM230−25と言う当時としては大型コンピュータ(メインメモリー32kB(MBではありません)、外部記憶装置として磁気テープ装置、磁気ドラムク装置(1MB。 但し、1m四方くらいの大きさがあった。)、CPUはわかりません。価格は約1億円)が導入され、それを最初に扱うことになったものです。当時は、FORTRAN、COBOLと言ったプログラム言語を持いて、計算のフローシートの作成、プログラミングまで、すべて自分で行っていました。
今日言われているパーソナルコンピュータいわゆるパソコンといえるのは、私が使用した範囲では昭和57年頃に富士通から発売されたFM8と言うのを使ったのが始めてと記憶しています。ご存じの方も多いと思いますが、ソフトはなく、ベーシック、アッセンブラ言語で自分でプログラムを作成するというものでした。このパソコンで相関係数の計算などをして楽しんだものです。 その後は、コンピュータに縁のない仕事に携わっていましたので、NECのPC98等多くのパソコンが世に出てきたことなど知りませんでした。
そのうち、職場にパソコンが配備されましたが、そのパソコンにはロータス123などのアプリケーションが組み込まれており、そのソフトにデータを入力すると言う現在のパソコンそのものでした。 しかし、私の頭の中にはコンピュータは計算目的に添って自分なりに使い勝手の良いようなプログラムを開発して結果を出すというものだと思いこんでいたため、提供されたソフトを決まったルールに従って利用する(マニュアルを読まないと使用できない。)コンピュータには興味がありませんでした。
数年経って、パソコンが普及しだしたため、興味がないと言っておれず、平成6年頃に富士通のFMVを購入したのがパソコンにはまっていくきっかけになりました。ただ、私の場合、パソコンはソフトを使うと言うよりもパソコンの高速化など、ハードの方に興味がありFMVもメモリーの増設、CPUの交換などに小遣いを投入しました。30万円くらいで購入したFMVに倍位の改造費を投入したものです。しかしいくらお金を投入しても、CD−Rでデータの書き込みをしていると途中で止まってしまうなど、限界を感じ、自作に走りました。 元来、新物食いの私は、1台作っても満足できず、高速のCPU、マザーボードが発売されるとまた作ると言うことを繰り返し、現在、8台を所有するに至っています。通常であれば、新しい物を作ったら古い物は処分すればよいのですが、それぞれに思い出があるため、処分することができず、貯まっていく一方です。現在、手元に置いてあるのは4台で、残りは自分の子供と弟に分け与え、それぞれ楽しんでいるようです。 現在のメインマシンは、PentiumW2.53GHzで、雑誌を見ていると今やPentiumも3.065GHzまで高速化されてきており、また、グラフィックボードも進化してきていますので、ぜひ、最速マシンを作ろうと思っていますが、他にも小遣いが入りますので、じっと我慢しているところです。 これからも、パソコン作りは止まらないと思いますが、集まってくるパソコン群の活用方法を考えなくてはと思っています。 活用方法についてアイデアがありましたら、ご教授下さい。
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