
南側杉林の整備、2024年の総括
約6mの高さまでの高枝打ち処理可能な枝打ちは2023年中で終えている。2024年はそれ以上の高さの枝を切り落とすことを行った。これらの枝は高さ15~20 mの範囲にある。人工杉林が30年以上も放置されていたので、杉の間隔が狭く、杉は上へ上へと競い合って成長していて、枝は上の方の15~20mの範囲にある。
2024年の夏は異常に暑く、残暑が何時までも続いた。2024年春季(4月―6月)に続いて、2024年9月中旬より杉高枝打ち作業を再開した。しかし、昨年の暖冬が噓のように今年の冬は平年以上に寒かった。それと(河野の)東京出張も重なって作業は捗らなかった。2024年の作業を12月25日に終了した。南側杉林の東半分程度の中小杉の高枝を支える幹を切り終えた。幹を切った杉の総数、28本。一回の作業は3時間前後で、週に2~3回行った。作業工程は以下の通り。
1)高枝打ちを行う杉の選定。2)牽引ロープを架ける枝の確定。3)その枝より下の枝の切り落とし(これをしないと牽引ロープが絡まり、牽引高さが確保できない)。4)自作特性用具で牽引ロープ架け。5)切断幹の根元に脚立を立てかけ、手鋸で切断切れ目(受け口、追い込み口)を入れる。6)牽引ロープをプーリーを通して延長し、6個の砂袋の重み(総重量~40 Kg)で牽引。7)高枝打ち用手鋸で幹の追い込み口を切り込み、幹を倒す。8)3本のうち2本は架かり木となる。9)次のような架かり木処理の1つあるいは幾つかを行う。9A)牽引力15倍増しの状態で牽引ロープを引き、幹を倒す。9B)切断幹根元を手鋸で加工し、テコ棒を入れて、幹を移動させ地面に落とす(下の写真2024・12・21参照)。9C)地面に落下した幹の根元をテコ棒で移動させ、架かり木を地面に落とす。10)牽引ロープの取り外し、幹や杉枝の処理など。
以上を総括すると、1本の杉の幹の処理に平均で3日(3回)、総作業時間~9時間を要している。事故と怪我のない作業を行う以上、この程度の作業時間は必要であろう。
2024・12・26

頭上15~20mにあるスギ高枝を打つために、枝の付いた幹に受け口と追い込み口を切り込み、追い込み口にテコ棒を差し込んだ様子。この後、テコ棒を動かして幹を前方に押し地上に落とした。この場合、追い込み口は受け口より下側に作る。通常とは上下関係が逆。根元のロープは、落下中に根元を左側に離すため。高枝切の結果、日差しが杉林の北側(テニスコート側)に随分差し込んでいる。2024・12・21

スギ高枝打ち作業の説明図。高さ5m程度のスギ高枝は高枝切用具(枝打ち一発)ですでに昨年中に打ち終えている。人工杉林が30年以上も放置されていたので、杉の間隔が狭く、杉は上へ上へと競い合って成長していて、枝は上の方の15~20mの範囲にある。これらの高枝はそれを支える幹の下側を切り取るしかない。胸高直径20cm以下のスギの高枝打ちを行っている。幹が倒れる方向を決める牽引ロープを張って、それを重り(砂袋)で常に引っ張っている。幹は予め切り口を入れたところを高枝打ち用具で離れたところから切断する。スギが密集しているので、2本に1本は近くのスギに架かり、改めて、牽引力5倍あるいは15倍で倒し込む時間のかかる作業である。しかし、安全を確実に確保して行っている。前期作業は6月25日を最終日とした。後期作業は9月初旬から始める予定である。2024・7・1。

4月に入って杉林整備作業を再開。作業域のロープ張りと注意勧告板を設置。2024・4・14

ミニ里山南側杉林のスギ枝を切り落とした結果の日差しの状況。テニスコート南隅に日差しが差している。これは今までは見られなかった。2024・1・12

スギ林の中で日差しが当たらず枯れて倒れかけた小径木杉をロープで牽引(左)。牽引に使用したロープとダブルプーリー(牽引力5倍増)(右上)、倒れた後の杉の根元(右下)2023・12・10

杉林内の高枝を切り落として、日差しが少し北側テニスコートに届いている。2023・12・5

杉林北側の空地にイイギリの落ち葉が落ちていた。樹上ではイイギリの赤い実をヒヨドリが食べていた。 2023・12・2

南側杉林の南側モミジ林の紅葉。2023年11月23日

南側杉林の車道脇に杉林整備の案内板を設置。2023年11月16日
案内板中の文章は以下の通り
茂庭公園ミニ里山の南側杉林整備について
日頃より茂庭公園ミニ里山へのご理解をいただきありがとうございます。最近のミニ里山についてはホームページ(茂庭公園、ミニ里山で検索)を参照頂ければ幸いです。
さて、去る6月に茂庭公園南側杉林間伐と落葉広葉樹との混交林化の趣意書を茂庭台地区の関連の皆様に回覧させていただき、多くの方から賛同のご署名を頂きました。ありがとうございます。
それらを元に7月に太白区公園課に「茂庭公園南側杉林間伐と落葉広葉樹との混交林化の要望書」を茂庭公園ミニ里山愛護会より提出致しました。その後、何回かの話し合いを持ちましたが、残念ながら杉の間伐と落葉広葉樹との混交林化の要望は受け入れていただけませんでした。
しかしながら、南側杉林による日照障害の緩和のために、杉の枝の切り落としとそれに伴う杉林内の簡単な整備の許可を頂きました。つきましては、茂庭公園ミニ里山愛護会といたしまして、茂庭公園南側杉林内で杉の枝打ち作業などを進めさせていただきます。(東側杉林は作業いたしません。)期間は現在より2024年度末までです(冬季と夏季は休止致します)。
よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
2023年11月吉日
茂庭公園ミニ里山愛護会代表 河野省三

南側杉林内に通路を作る。2023年11月14日

茂庭台団地造成以前の航空写真(左)と国土地理院地図(右)を対比させ、茂庭台の主な施設と茂庭公園ミニ里山南側杉林の由来を調べました。
右側の地図に茂庭台内の主車道や主な施設の場所を書いています。造成以前には茂庭台東南から北西へ山道が一本通じていて、現在の梨野に繋がっていました。(黄色の矢印3本で対応を表示) 現在の茂庭公園はもともと窪地でした。ミニ里山南側杉林は元々の(人工)杉林です。
南側杉林内の落葉広葉樹について
ミニ里山には茂庭台団地造成以前に植林された杉林がそのまま残された部分があります。その後、なんの管理もされず大小の杉の木が密集していて、茂庭公園南側の景観を悪くしているばかりでなく、日差しの相当な妨げとなっています。これは好ましい状態とは言えません。南側と西側の杉は将来的に部分的に伐採し、落葉広葉樹との混交林とすることが望ましいと言えます。(東側の杉林は隣接する住宅への防風林(居久根:イグネ)として残して置くべきでしょう。)そのようなことを念頭に杉林周りの落葉広葉樹の現状を調査しました。その結果について記します。なお、本調査には東北大学大学院農学研究科名誉教授、清和研二先生の監修を頂きました。ありがとうございました。2022年4月25日




このように、多くの落葉広葉樹が杉林の中で芽吹いていることが分かりました。これらは杉が伐採されて日の光を受け始めると、グングン育って行くことでしょう!! また、杉林の林辺ではモミジやカエデの幼木が多く見られ、数本は落葉広葉樹植栽領域に植えてあります。