私がハム(アマチュア無線のことです。)を始めたきっかけは、中学校時代(昭和30年代末)に友人が作った鉱石ラジオを聞かせてもらったことが始まりです。たった一個の石でNHK放送がイヤホーンから聞こえてきたのに感激し、自分でも作ってみようとしたことです。
当時、私は知らなかったのですが、私の家の近くにすでにアマチュア無線をしていた先輩が大勢見えました。鉱石ラジオがきっかけで、友人に連れて行ってもらった先輩達に色々教わり、真空管ラジオを作り始めました。ラジオを作るための部品は高く、その頃の私の家ではとても買う余裕はありませんでした。 そのために、学校の帰りに古物店に寄って、壊れたテレビの真空管、トランス、スピーカーなどをただ同然で分けてもらって部品を集めるのが日課でした。 家に帰ると学校の勉強をさっさとすましてしまい、ラジオ作りに没頭したものです。ラジオが完成し、電源スイッチを入れて真空管のヒーターが灯り、スピーカーから音が聞こえたときの感動は何台作っても同じものです。
その後、先輩たちが見ず知らずの人たちと無線で交信しているのを見ていて、自分も無線機を作りたくなり、先輩に教えてもらいながら自作しました。無線機が完成し、初めて電波を発信し、マイクに向かってしゃべったときは緊張の固まりでしたが、先輩達から“聞こえたぞ”と返信されたときの感動は今でも忘れません。
アマチュア無線の免許を取ってから早45年が経過しましたが、子育て、仕事に追われて無線はほとんど休眠状態でしたが、数年前に長い勤めを終えて退職して時間に余裕ができましたので、この機会に復活することにしました。
アマチュア無線のあこがれの資格は何といっても『第1級アマチュア無線技士』です。ただ、この資格を取得するためには以前は英文、和文の電信の実技試験があり、電信の苦手な私は電信級(現第3級)が精一杯で第1級というのは夢の資格でした。 ところが、私がアマチュア無線をサボっている間の2005年の法律改正により、第3級を持っていれば電気通信術が免除されることを知り、電気通信術が免除されるのであれば何とかなると思い、2010年、第1級アマチュア無線技士試験に挑戦することにしました。 勉強はの1時間早く(午前5時)起きて勉強をしました。試験は年に3回ありますので、2回目くらいで合格できればと比較的気軽な気持ちで取り組むことができました。その気軽さがよかったのか、一発で1アマ試験に合格することができました。
60歳を過ぎて、やっと、あこがれのアマチュア無線家の頂点に立つことができたのです。合格したことで妻からもよくやったとほめてもらい、アマチュア無線機器を一新することができた次第です。
・2019.10.25 1KW局開局
2010年10月に、あこがれのアマチュア無線免許の頂点に立つことができたので、アマチュア無線機器を一新しました。
更新した無線機は、HF帯用にICOM”IC-7700”、V・UHF帯用に同じくICOM”IC-911D”を購入しました。
さらに、せっかく第1級アマチュア無線技士に慣れたので近いうちに1KW免許の取得を目指してIC-PW1も同時に購入しました。
購入した無線機で毎日交信を楽しむとともに、SSTVの免許、デジタル無線の免許などを取得して、毎日楽しんできました。
2019年、令和元年、満70歳を前にして今年中にせっかく持っているリニアアンプを生かして、アマチュア無線で認められる最高出力1KWの免許を取得しようと決心し、アンテナの更新・増設を行うとともに、インターフェア対策(テレビなどへの影響は全くありませんが、念のためにコモンドフィルターを4個設置。)して、8月下旬に東海総合通信局に変更申請を出しました。
9月上旬に仮免許が下り、周辺の家の電波障害調査を行い、10月25日に東海総合通信局の落成検査を受けて3。5MHz~50MHzまで1KWの免許を取得しました。
これで、10年来の目標が達成できて、アマチュア無線のハードウェアはこれで完了です。
次は交信局数を増やすとともにAWARDに挑戦します。
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2019年10月25日、1KWの免許を取得した時のシャック |
・トランシーバーを購入
2019年12月に電化パーツのバーゲンセールがあり、展示してある無線機を見ていたらほしくてたまらなくなり、ついつい最新のトランシーバを購入してしまいました。
現在販売されているトランシーバーの中では最新の機種で物はいいのですが値段もよく、少し迷ったのですが迷いながらも手が出てしまいました。
来年は故障時の修理費用は已むおえないものの、無線機などの購入は絶対にしないと来年に向けた誓いを立てた次第です。
・現在使用しているアンテナ(2019.12現在)
2018年9月の台風21号の今まで経験したことのない暴風の影響なのかメインの5エレメントアンテナの動作が不安定になりました。
以前から14MHzのアンテナがなく困っていたこともあり、この際と、思い切って2018年末に更新を決断した。
2019年になり早速メーカーに製作を依頼したが、最近はコンパクトなアンテナの製造が主流で、注文のようなアンテナの製作には数か月を要するとのことでした。
しかしアンテナは大きいに越したことはないので、無理にメーカーに製作を依頼しました。3月上旬にアンテナが届き、組立に2週間ほどかかりましたが、4月中旬に設置出来ました。
その後、10,18,24MHzの1KWの出力に対応できるアンテナを友人から譲っていただき、3.5MHz~50MHzまで20mのタワー一本でカバーできるようになりました。
風速60メートルに耐えられる高さ20mの自立タワーとアンテナ群
・2023.05 追 記
1KWの免許を取得して半年余り経った頃に1.9MHz帯のSSB通信が許可になった。CWができない私はアンテナも長くて我が家では設置できないこともあり全く興味なかったが、SSBモードが使えるのであればとネットで非常に短くてもパワーを入れられるアメリカ製のスローパーアンテナを見つけて購入したが、もう少し早くわかっていたら1KW申請に加えていたのにと後悔した。
・アマチュア無線に夢中
2019年に1KW局の免許を取得できた頃、アマチュア無線もデジタルの時代に入り、私のように電信が不得意な従事者であってもアマチュア無線機とパソコンの連携をしてデジタル通信でDX(海外)通信ができやすい環境ができました。
私は自分で整備したアマチュア無線機器、パソコン、アンテナとたっぷり持てる自分の時間を利用してDX通信を楽しむようになりました。始めたころは殆ど初めてのカントリーとQSOができてうれしくてたまらず、毎日、主に朝と夕方に新しいアマチュア局を探しては交信してきました。
ある時、1KWの免許取得のときにお世話になったOM局からそろそろアワードに挑戦してみたらとアドバイスをもらい、今までに交信したQSOログから取得できるアワードをチェックしたところ、世界6大陸と交信してもらえる「WAC]というアワードが5バンドWACというのがすでに完成しており、他にもWAZ、WAS、,DXCCなどが完成していることが分かり、早速、申請して各アワードの認定証をもらうことができました。
これは私にとって夢のようなことで一生掛かってもできないと思っていた夢の一歩が実現しました。もちろん、最低条件をクリアして取得できたもので中身の充実がこれからの楽しみです。
・取得した念願のAWARD
・トランシーバーを購入
無線機は2019年にIC-7610を購入してこれ以上買わないと誓っていたのですが、昨年1年前(2022年4月)に新型コロナの影響で値上がりするとの情報があったためにIC-9700を購入してしまいました。
これで最後の予定だが、もう1台発売されればどうしても欲しい無線機がありますが、発売されないことを願っています?
JA2LWDのアマチュア無線設備(2024.3.31現在) デジタルモード通信をするためにモニターが3台に増やした!
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・2023年は4,400局と交信
2019年秋、私が70歳になった年に1KWの免許を取得してからデジタル通信によるDX(海外のアマチュア局)との交信を一生懸命するようになった。アマチュア無線の免許を取得してから50年以上経つのに僅かな局としか交信をしていなかったが、70歳になって無線に火がついたようだ。毎年前年より1,000局くらい増えてきた。
・2024年も4,400局余りとQSO
昨年は私のとって驚異のQSOを熟したが、今年も太陽の黒点活動の影響などにより無線コンデションは余りよくなかった。
しかし、猛暑が続いて家の中にいる時間が増えたせいか2024年も約4,400局のQSOができた。
DX通信をしているOM局が何十年も掛けて努力されているのを尻目に数年で少しでも近づきたいと思っている私は無謀だと自分でもわかっているがやめられなくなってしまっている。
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始めはどのアマチュア局と交信しても新エンティティなので交信局数の割にエンティティの増加が早かったが、徐々に新エンティティの交信局を探すのに苦労するようになってきたので、ついついワッチする時間が増えて交信数も増えてきた。
・DXCC200エンティティ達成
2023年は猛暑が続いたために冷房の効いた部屋にいることが多かったためか?無線をする時間が多くなった。その結果、10月中頃にLoTWだけで200エンティティを達成し、年末には交信できたもののカードが届いていないのを含めると250エンティティまでできた。
200エンティティはARRL(アメリカ無線中継連盟)で認定された数なのでARRLに証明を発行してもらう申請をして12月中旬に届いた。ただ、証明をしてもらうために65ドルを支払った。もっと円高が進むことを願っています。
2024年はすでに更新している無線局からQSLカードを発行してもらい、さらに新しいエンティティと交信して250エンティティを目指したい。
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・DXCC250エンティティ達成
昨年10月にARRLに申請してあったDXCC250エンティティの証明シールが1月10日にやっと届いた。アメリカは遠い。
いつ届くのかと首を長くして待っていたが、これでいと安心した。なんといっても55ドルを払っているのだから。
昨年の申請からすでに15エンティティ増えているので、もう少し円高になったら申請しよう。
DXCC250の証明シールが増えた |
・DXCC CHALLENGE認証
2024年1月に後半にアワードの大きな目標であったDXCC CHALLENGE賞の最小エンティティ1,000局を越えることができたので早速申請をした。すでにもらっているローカル局から申請してから2~3ヶ月を要する聞いていたが、3月10日にARRLから届いた。
縦はアクリル板で出来ていて124ドルは掛らないにしてもそれなりのコストはかかっているように見える。
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これでDXCC、CHALLENGIなどのアワードの最低はクリアすることができたので今年からエンティティを少しでも増やすように努力していこう。
2024年はすでに更新している無線局からQSLカードを発行してもらい、さらに新しいエンティティと交信して250エンティティを目指したい。
・アンテナローテータ―を交換
アンテナローテータ―はアマチュア無線の電波が飛んでくる方向にアンテナを回転するモーターで、私の家には30年前に建てた高さ20mの鉄塔の上に付けてある大きいので幅14m位のアンテナを360°回転できるようになっています。
30年前に鉄塔を設置した時に同時に付けました。以前から冬になると回転速度が落ちてしまい、グリスアップをしなければと思っていましたが、18m位のところに付いているので簡単には作業ができず無理をしないように使っていました。 ところがこの2月に午前中無線をしていた時には回転していたのに、午後、いきなり回らなくなりました。強風などで歯車がロックしたようで電源が熱くなりモーターに相当の負荷がかかっているようでした。
そこでモーターを下ろして分解整備をしようと思いましたが、降ろすのは非常に難しい作業になること、30年も使用しているのでそろそろ寿命かなと思い切って新しいのに交換することにしました。
大型のローテータ―は10万円ほどと高価なものなのですが、アンテナが回らないと無線ができないので小遣いを叩いて購入しました。 ローテータ―の交換は私では高所作業が怖くなっているので本業でよく似た高所作業を開いている友人に頼んで交換してもらいました。
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アンテナローテータ―の交換作業 私は足手まといになるので友人が一人で作業してくれました。 頼もしい友人だ!! |
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![]() 30年使用したローテータ―。 塗装の剥げ具合から30年風雨にさらされながらもよく頑張ってくれた。 |
・無線機が壊れた
2024年9月中頃に主にSSB通信に使用しているIC-7700を使用してアンテナの調整をしていたところ突然送信パワーが出なくなった。私の操作ミスでパワートランジスターを壊してしまったようだ。
やむなく、さっそくICOMに修理に出した。出したというのは簡単だが、たくさんのケーブルを外して20Kg近くある無線機を棚から下ろして車に積み込むまでが大変だ。結局、修理に50日かかり修理費用50,000円近くの出費。高くついた。
この際、以前から寒いシーズンに入ると動作不安定になっていたIC-PW1リニアアンプもこの際修理とオーバーホールをしてもらうことに。 これはIC-7700よりさらに重く30㎏以上あり車に積み込むのに苦労する代物だが、思い切ってICOMに送った。
結果はバリコンのグリスの固着で冷えると動作が緩慢になるとのこと。バリコンの交換?とコンデンサー類の経年劣化部品を交換してもらった。この費用が30,000円近くかかった。
さらに、IC-7610の液晶画面に残像が目立つようになってきていたので、ICOMに聞いたら液晶パネルの交換が必要とのこと。
2台の修理に多大な経費を要したが、これから何十年使用するかわからないものの来年からバイトもなくなり全く小遣いがなくなってしまうのでこの際、使用している無線機はすべて正常にしておこうとリニアアンプが戻ってきたタイミングで修理に出した。
これで、現在使用している無線機類は当分安心して使用できるだろう。
全部十万円以上かかったが、12月末現在、安心して使用できている。出費した経費以上の成果をあげなくては?