第1話 Adagio~愛はここにある~(1)(2)(3)(4)(5)
可憐編――――――
シスタープリンセスと言うよりも、世間一般に言う、理想の妹像を集約した姿……それが、彼女・可憐ではないでしょうか。
傑出した特徴がない代わりに、誰もが彼女を受け容れることが出来て、嫌いになるということがない。強いて上げるならば、可憐が嫌いな人はシスプリ、そして妹嫌いな人物であるとすら考えます。
一途に兄を愛し慕うその姿、どこか大人びた仕種の中に、見え隠れする子供っぽさ。
こういう妹が現実にいないから(多分ね)、もしもいたとすれば、兄冥利に尽きるというものでしょうがね。そして、不況だ何だと悲観的な将来に項垂れる世の青年たち、そしてお父さんたちも、可憐のためなれば! と、張り切ることも出来るというものでしょう。
さてさて、そんなSisterPrincessの記念すべき第1子である可憐。
『SisterPrincess空色の宿 空色亭オリジナル短編集』では、私が描く理想の妹像、そして伝えたい想いを織り交ぜて程良い形で皆様に伝えられれば嬉しいと思っています。最後までおつき合い下さいませ(笑)